106 - 本編 ページ46
【昔の話】 教えてよ
*
A
「ずっと気になってたんだけどさ。」
五条
「ん?」
A
「悟の高専時代の話。」
五条
「うん。」
A
「聞いたことないから気になってたんだけど。」
「教えてよ。」
建人さんとは焼肉を食べた後別れ、帰り道偶然見つけた美味しそうなケーキ屋さんで買ったケーキを頬張り、そう言った。
五条
「別にそんな面白い事なんかないよ。」
「おっ、このケーキも結構いけるね。」
甘党の悟はパクパクと食べ進め、既に2個目を食べ始めていた。
食べるの早いな。
A
「いいから教えてよ。」
五条
「もうAったらそんなに僕の事が知りたいの?」
「…体で教えてあげようか?」
椅子から立ち上がり、私の顎をグイッと持ち上げ唇がくっつきそうなぐらい顔を近づける。
相変わらず女子顔負けの綺麗な顔をしている。
黙ってれば全世界の女子なんて簡単に落とせるだろうな。
黙ってればね。
A
「うっさい変態。」
五条
「いいじゃん夫婦なんだし。」
私の左手の薬指にそっとキスを落とす。
冷たい金属に温かく柔らかい悟の唇が触れる。
A
「いや、夫婦ではないから。」
五条
「え〜、もう夫婦同然じゃーん。」
A
「やかましいわ。」
のらりくらりと交わし、ふざける悟。
どうやら話したくないらしい。
高専時代に何か嫌な事でもあったんだろうか。
A
「高専時代楽しくなかったの?」
五条
「…いいや、すごく楽しかったさ。」
昔を懐かしむような、尊ぶような複雑な表情。
そこに少しの罪悪感が見えた気がした。
A
「教えて。」
五条
「どうして?」
A
「どうしても。」
五条
「理由を教えてくれないとやだなぁ。」
A
「…すっ。」
五条
「す?」
A
「…好きな人の事を知ろうとするの駄目?」
五条
「……。」
A
「…悟?」
五条
「待ってAが可愛すぎて襲いたくなった。」
A
「うるさい、はよ話せ。」
*
11年前。
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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時