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98 - 番外編 ページ38

【七海建人の溜息3】 油断と骨折





A
「うーん、やっぱり2〜3級ぐらいだね〜。」


そう言って、地面に倒れている呪霊から刀を引っこ抜いた。
そこそこ量はいるが、2〜3級程度の呪霊の集まりみたいだ。


七海
「気を抜かない。」


私の背後に迫っていた呪霊をぶった斬り、建人さんが現れる。


A
「これ私必要だった?」
「建人さん1人で良かったのでは?」


七海
「流石にこの量を1人では大変です。」
「Aさんを借りてきて良かったです。」


A
「そっかー。」
「じゃ、早く祓っちゃいますか。」


ブンブンと刀を振り回し、次々と湧き出る呪霊へと足を進めた。





大体の呪霊を払い終わり、残りもあと少し。
突然、ガコンッ!!と音がして地面が崩れ落ちた。


A
「へっ!?」


フワッと一瞬、内臓が浮く感覚に襲われる。


七海
「Aさん!」


崩れる足場と砂埃が立ちこめる中、建人さんが私に手を伸ばしたのが見えた。





ガラガラと瓦礫の音と砂埃が周りに立ち込める。


A
「いってぇ…。」


瓦礫に埋もれ、上を見上げる。
幸いにも4階分程の床が抜け落ちただけみたいだ。
老朽化が激しかったみたいだからしょうがない。


七海
「Aさん!大丈夫ですか!?」


上から建人さんの声が聞こえた。


A
「大丈夫ー!」
「建人さんはそのまま呪霊狩り続けてー!」


七海
「わかりました!」
「終わらせたら直ぐにそちらへ行きます!」
「それまでは大人しくしてて下さい!」





大丈夫。とは、言ったものの…。


A
「足コレ完璧埋まってるんだよなぁ…。」


瓦礫と瓦礫に足が挟まれている。
力を入れて動かそうにもビクともしない。
しかも持ってた刀あっちに吹っ飛んでるし。
これ1人じゃ無理!


A
「建人さん待ちだなこれ。」





七海
「…何してるんですか。」


A
「あ、来た。」


建人さんは瓦礫に埋もれている私を見て、顔を凄く顰めた。


七海
「……ハァ…。」


A
「なんでため息つくの!?」
「好きで埋もれてる訳じゃないのに!」


七海
「じゃあ、退かしますよ。」


そう言って建人さんが足に乗っている瓦礫を退かしてくれた。
凄い力だ、流石一級術師。


A
「ありがとうございまーす。」
「………ん?」


立ち上がろうとするが全く足に力が入らない。


七海
「…折れてますか?」


A
「……これは折れてますね。」





足手まといになりました。

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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時

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