ただ愛する仲 Ⅴ【Hikaru.I】 (ページ8)

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手を繋いで街をぶらぶらする。
浮足立っているのは私だけじゃなく彼もだ。

照「どこ行きたい？」

『うーん…』

照「大金があるんだからぱーっと使おう」

スキップでもしそうな勢いの照。
その顔面からは想像できないほどに可愛い。

『照はお金持ってたら何したかった？』

照「…借金返済」

『そうだ…、返しに行こう！』

照「もう返した」

『…どうやって！？』

照「とにかくお前が行きたい場所行こうって」

極論、彼と一緒に居られればそれで良い。
ふと見えた建物を指差す。

『あれ、目黒くんが言ってた』

照「っちょ、」

『私行ってみたい』

照「いや、え？
　どんな場所か分かってんのか？」

そう言うけど、あそこはただのホテルだ。
“ラブ”なんてついていない。

『歩き疲れたから休んでいこう！』

照「おい、」

『だから休むだけだってば、…何考えてるの？
　大人しくするから。』

それでも怖気づく彼に私はふてくされる。

照「あ、いや…俺も2人きりで居たいのを
　堪えてんだって。めっちゃくちゃ必死！」

『なんで堪えるの…？
　初めて欲しいって思ったのが貴方なのに。』

照「今の状態で、…あーもう！！」

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『うわぁ、すごい…！』

手を引かれてやって来た別のホテルは
まぁそれは広くて。

高くなくていい、と言っても聞いてくれなかった。

『タオルが私より大きい！！
　ベッドなんて私なら5人は寝れる！』

照「はしゃぎすぎだろ」

『ふっかふかだよ！隣来て！』

照「分かった、分かったから…」

一緒にベッドへ倒れ込んでもゴロゴロ出来てしまう。

『…私たちには広すぎるんじゃない？』

照「はは、確かに」

額から鼻、そして唇にキスを。
…何もしないなんて私たちには無理だった。

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