ただ愛する仲 Ⅳ【Hikaru.I】 (ページ48)

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夜通し病室の近くのソファーに座っていると、
勢いよく部屋から飛び出す照の姿が見えた。

…よかった、起きたんだ。

階段を下っていると、前の記憶を思い出す。

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照「あれくらいで落ち込むなんて馬鹿みたいだな」

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後ろを振り返ってみても、彼は来ない。
やっぱり気になってさっき居た場所に帰ってきた。

丁度、診察室から出てきた彼は顔色が悪すぎる。

『先生は、なんて言ってた？ねぇ、』

照「……俺はどうしたらいいと思う？」

悲しく笑う表情に大体察せてしまう。

『…また黙ってる気だった？』

照「いや、昨日話そうとしてた」

『言ったらそのままさよならする気だった？』

照「ただ…かっこよく、消えようと思ってた。」

かっこいい消え方なんてあるもんか。

泣きたいのはきっと彼の方なのに、
私が泣いてしまっている。

『…なんで、照ばっかこんな目に遭うの、
　前世でどんだけ悪い事したの！？』

照「それはちげぇよ？お前に出会って…
　俺の前世は英雄だって思った。」

私の涙を拭って、抱きしめられた。

久しぶりの温もりに更に流れる大粒の涙。

照「はぁ…泣くなよ。」

『っ死なないで、死んだら許さないから！』

照「っは、こっわ」

『んん、ごめんなさい〜っ
　今度こそ照から離れないからっ、…！』

照「言ったな？」

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・
・

ドナーが必要だと聞いたから
妹さんに今すぐなりたいと抗議市に行く。

光「…そんな簡単なもんじゃ、」

『それは私が家族じゃないから？
　すぐに照と結婚すればいい話なの？』

光「結婚してから1年はドナーになれません、
　それに体格が違いすぎるし。」

『…私が小さいから？筋肉つければいい？』

光「もし適合しても、肝臓の半分以上を
　移植しないといけないから
　同等の体格じゃないといけないの。」

この時点で私が彼を助けることは不可能だと確定した。

光「…気持ちだけで十分です。
　私も出来る限り力を尽くしてみます。」

病室に行くと照はぐっすりと寝ていた。
やはり、身体は悲鳴をあげていたようだ。

『…顔に傷がないと、こんなにハンサムなんだね』

私より格段に大きい手を頬に当てて
暖かさを実感した。

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