ただ愛する仲 Ⅳ【Hikaru.I】 (ページ47)

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A side

柱を使って慰霊碑を作ることを報告すると
深澤代表は渋い顔になった。

辰「事故の時の柱？」

『崩れた柱を組み合わせて慰霊碑にするんです。』

辰「…本社が許可しないんじゃないかなぁ、
　再建とはいえ柱を使ったら…」

『あのビルの図面を見返したら
　代表の設計と基礎が全く同じでした。
　しかもかなり綿密な設計で。』

ぱっとこちらを見た代表に
それでも事故が起きた、と続ける。

『理解できずに居た時、代表の言葉を思い出しました。』

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辰「事故は起こそうとして起きるものじゃない。
　真面目な人々の小さなミスから引き起こす。」

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当たり障りなく過ごすより、
しつこいと言われてもこだわり続ける。

『学んだ通り、やってみます。』

辰「…やめろ、なんて言えねぇじゃん〜(笑)」

『ありがとうございます、』

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・
・

家に帰ると母とバイトのおばさんが
旅行に行くと、家を出るところだった。

母のポッケにお金を突っ込んで
美味しいものでも食べてと告げる。

修理のため、当分休業します。

張り紙を貼って、家に入った。

　

照「A、AA！話があんだよ！」

彼の叫び声が聞こえてきたのは
しばらくしてからだった。

照「顔見せてくれ…頼むっ、
　今すっごい具合悪いんだよ…！
　話聞いてくれたらもう二度と来ねぇから、」

ぐずぐず、と鼻をすする音まで聞こえてきて
もうどうすればいいのか分からない。

照「10数えたらもう倒れっからな、…！
　 1、2、3、4…」

着々と進むカウントダウンに、
仕方がないからドアへ腕を伸ばした時だった。

照「5、………」

声が聞こえなくなって、控え目に覗く。

『…照！？』

彼は本当に倒れ込んでいた。

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