ただ愛する仲 Ⅳ【Hikaru.I】 (ページ30)

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照 side

たくさんの柱が運ばれている。

どう見ても事故の残骸なのに、
廃棄物処理で終わらしてしまうらしい。

照「え、確認しなくていいんすか？」

「深澤代表がしたよ」

照「…それガチっすか」

「気になって話してみたんだよ。
　廃棄物として処理しろって指示出されたわ」

…こんなの違和感しかない。

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後ろから静かな足音が聞こえたから
がばっと振り返るとやはり彼女だった。

『っ！？もう、こっちがびっくりする…』

照「はは、いつ来たんだよ」

『ついさっき！』

照「電話しろよ」

『それよりも早く会いたかった』

手を差し出して、いつもの公園へと向かう。

俺たちが落ち着ける最高の場所。

彼女がブランコに座ったから
頭を撫でて、暖かい飲み物をあげる。

『はぁ…幸せ〜っ！』

照「ここに来たは良いものの寒くねぇの？」

『いいの、照がいるからあったかく感じる』

背中を押してあげると、今日あったことを
ポツポツと話してくれた。

『…遺族の家に行ってきたの』

照「え、1人で？」

『そう、行くだけ行ってそのまま帰ってきた。
　まるで生きてるみたいな口ぶりで…
　言い出せなかった。』

照「…分かる気がするよ。
　生きてるって錯覚するときがある。」

・

2005年。

「死ぬ訳にはいかないんだ…」

照「きっと助けが、」

「やりたいことが山ほどある」

そこまで言うと血を吐き出した
少し歳上の知らない兄さん。

「かぞくに…居場所を、つたえて…」

照「え、え？ちょ…」

息を引き取った彼の真横で
救助を待っていると、頭もおかしくなる。

その時から、今もずっと…

・

照「声が聞こえるんだ。」

『…声が？』

照「言ってるんだろうな、忘れんなよって。」

俺も身長の合わない隣のブランコに腰掛ける。

『私は…夢を見る。
　始まりは違うけど終わりはいつも同じ。』

照「…どんな夢？」

『目の前で、妹が死ぬ夢。』

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