ただ愛する仲 Ⅱ【Hikaru.I】 (ページ8)

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A side

朝からこんなに忙しいのは初めてかもしれない。
メイクをちゃんとしようと思っていた。

麗華さんに引けを取らないように。

『…道具ない、服もない』

誤算だったのが、そもそもそんなものが無いということ。

漁っても漁っても工具のボンドやジーパンばかり。
つくづく仕事人間だと自覚する。

　

　

蓮「ちわっす」

麗「一緒に来るのをわざと避けた？」

『いや、家から直行したので…』

結局、普段通りの自分。
脚立や用具を持っている私に対して彼女は何も。
…目黒くんが持たされてるのか。

隣から岩本照が来るのが見える。

本当に今日はツイていない。

照「ひどいな、何も職場でまで無視しなくても」

『…挨拶するような仲じゃないし』

麗「2人は知り合いなの？」

照「はい」

『いや』

2人して意見が食い違っている。
ちょっと笑っているのがムカつく。

照「本社の人？
　取引先の方がお待ちです」

麗「待たせておけばいいわ、まずはここへ」

この人、ちゃんと尊敬語使えるんだ。
麗華さんはスマホを見せて行く場所を伝えた。

照「そうですか、B区域には入れないから事務所に居て。
　じゃあ行きましょうか。」

2人は目的地の方に行ってしまった。

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