ただ愛する仲 Ⅱ【Hikaru.I】 (ページ30)

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辰哉 side

俺はある資料を引っ張り出して来た。

Sモール設計士：深澤修

〈調子に乗ると父親の二の舞を演じるぞ？〉

ドアをノックする音に、慌てて資料を隠した。

『失礼します…』

辰「慰霊碑はどうなった？」

『どれも似通っててイメージが湧かなくて。』

辰「まぁ、慰霊碑を奇抜にする必要はないよ。
　大切なのは作る人の心なんだから。」

目立たない場所にひっそりと無難なものを、と
俺の中では考えていた。

しかし、彼女らは違うみたいだ。

辰「お疲れ様、少し休んで？」

『…代表って本当に良い方ですね、
　私たちを信じてくれて…』

俺の心が分かっている。
そっと微笑むとお辞儀をして出ていった。

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帰宅時間、残っているのは俺だけだと思っていたが
あの子の部屋の電気が着いていた。

辰「Aちゃ〜ん…起きて…」

ぽやぽやとした雰囲気を纏って目をこする。
時々、雷にビクつきながら。

辰「もう遅いよ、雨降ってるし送ってく！」

『…今日、夜勤変わるって』

辰「え…？」

『さ、先に帰ります！』

何かを思い出したようで、走り出した彼女。
ついさっきまで寝ていた机には

崩壊事故死亡者名簿
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A 南月
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彼女の発言を振り返ってみても納得がいく。

〈“48人しか”じゃなくて“48人も”〉

現場に行った時の様子がおかしかった。

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