ネージュに染まれseason3 (ページ35)

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廻る廻れページ35

目を開けてやらかしたと思うまで5秒もかからなかったと思う

お酒が強くないくせにすぐ酔ってしまうくせに

記憶をなくすことが一度もないのが私の一番厄介なところだ

あれもそれもこれもぜんぶ康二に謝んなきゃと考えて

もう一度目を瞑り真っ暗な部屋で蓮の少し熱を帯びた言葉や体温を思い出したんだ

深夜このベッドの上で考えるより先に言葉を口から出したのは間違いなく私だったし

それに久々に頭痛いし

部屋の扉を開けようとしてやめたのはリビングで誰かと会うのがちょっと気まずいかもしれない

なんて思ったからで

【水と薬欲しい部屋】

そんなメッセージを打ってベッドに座る私はなんて人使いが荒いのだろう

少しするとノックもせずに開いたドアからは見慣れた金髪が見えて

「不摂生とはこういうことですね」

テーブルの上に水と錠剤を2粒置きため息をつきながらクッションの上に座ると目を細めて私を見た最年少

『ありがとう』

「どういたしまして」

『下誰かいる？』

錠剤を手に取りながらラウちゃんを見つめればラウちゃんはポケットからスマホを取り出して呟いた

「康二くんとめめとふっかさん」

降りなくてよかったと心の底からホッとして薬を飲めばラウちゃんは呆れたように声を出すんだ

「お風呂入ってないでしょ？お酒臭い」

『ごめ』

「康二くんと何時まで飲んでたの？」

『ふぇっ？康二って言った？』

「薬どれだろうって引き出し漁ってたら康二くんがこれって」

『あーうんそっか』

「あーあと......」

『なに？』

いじっていたスマホを見て少し笑い私に画面を見せると大人びた顔で窓の外へと視線を移すんだ

「いいように俺使われてるんだけど」

画面の中のメッセージを見て唇を噛みながら昨日の記憶が鮮明に蘇るんだ

【仕方ないからクリスマスデートしてあげる】

痛む頭にこれは二日酔いなんかじゃなくてきっと酔いの状態だって言い聞かせて

「ねえまじ顔赤いんだけど」

なんて大人をからかう16歳を睨んだんだ

久しぶりのalcoholはどうやら抜けにくいみたい