ネージュに染まれseason3 (ページ22)

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決まり事にはやさはページ22

「告白じゃんそんなの」

目の前でラウちゃんは美味しそうにパクパクとケーキを食べていて

阿部ちゃんから言われた言葉を報告すればかったるそうに呟いた

『いやーうーんいやーなんていうのかなー』

「なんていうとかじゃなくてそんなの告白じゃん？」

オブラートに包むことなどしない16歳の言葉におどおどするのは私

「で？Aは阿部ちゃんが好き？」

『いやいやいやそーいうのじゃなくてさ』

「そーいうのだから」

スイーツブュッフェに行こうと言い出したのは私のくせに一皿目の一口から中々進まない

「阿部くんもふっかさんもめめもみんなAが好きなの」

『いや、えーっとさ』

「気付いてるのに気付かないフリしないで」

『いや、ほら私のことはみんなよく知ってるけど私は知らないじゃん？』

「はあ....」

ラウちゃんは私をじーっと見つめると伏し目がちに笑って私の口元にケーキを一口運ぶ

「Aが教えてって言ったらなんだって教えるよ」

『え？』

「答えを出してなんて言われてないんだから長く向き合ったらいいじゃん？逃げないでさ」

『ラウ....』

「Aだってみんなのこと他の人とは違ってみえたんでしょ？」

『.....あぁ』

それは思い当たる節がたくさんあったからでラウちゃんの目を見つめれば

「ちなみに俺はママもパパもいないよ」

『....っ』

「Aだけじゃないよみんな色々背負ってる....ほらはいっあーん」

ふわふわな金髪を揺らしながら笑うラウちゃんを見て周りから見れば私たちはどう見られてるのだろうなんて考えて

もっと君の話をしようと

もっと君の話を聞きたいと

もっとみんなの話を聞こうと

もっとみんなのことを知りたいと

思ったんだ

大事なことをいつも君から教えてもらってる気がするね

逃げないで私と向き合ってくれるみんなと向き合おうとこの日

決めたんだ