ネージュに染まれseason3 (ページ1)

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深夜の訪問者は君目黒side ページ1

時計の針が深夜1時半を指していてそろそろかなと思いながら読んでた漫画を閉じればゆっくりと部屋の扉が開いた

うっわ

目腫れてる

しっかりと閉まった扉を確認して声を出す

『今日はひとりで寝れるだろそれ』

「酷い顔って言いたい？」

『目閉じたら寝れる顔してるけど』

「そうかもね...」

呟いたAは長めの前髪に指を通した

『ん？』

俺はかなり意地悪だ

おいでとか大丈夫？とか頑張ったじゃんとかほんとは言ってあげたいけど

Aが何かを発するまでは俺から触れてはあげないし俺から求めてるものはあげない

与えてくれたら与えるよ言葉も行動もとびきりのものを

とくにここまでの天邪鬼なら尚更そう

『...一緒に』

「ん？」

『一緒に...』

「うん」

『...いてほしい』

うわっ

片手で口元を押さえたのはにやけてるのがバレないように

「ん、いいよ一緒寝ようA」

真っ赤な目で俺を見つめながら少しだけ笑うAを見て

何かを乗り越えたんだろうなって

どうしようもなく愛おしいなって思ったんだ

布団に入り最近してるみたいに頭を撫でればAは小さな声で呟いた

「さよなら言われるより言う方が苦いね」

Aの言葉はいつもどこか熱を帯びていて魅力的で小さな声はいつもより弱々しくて

『そんなの比べるのなんて間違ってるよ言う方も辛い』

俺の言葉にAは少し鼻をすすったんだ

「あー阿部ちゃんの服汚しちゃったなあ」

なにそれ

泣いてる時阿部くんと一緒だったの？

なんで？

どういうこと？

ってAと過ごす夜は俺の感情は忙しい