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ベタベタにとろけるの ページ48

横断歩道までのほんの少しの距離を送るよなんて言う樹は昔っから女の子に人気が高かった






樹「信号青になったら友達に戻るからさ最後にわがまま聞いてよA」






私の手を引いた樹はそっと顎に手を添えてほんの数秒だけのキスをして






体感では今まで樹としてきたどんなキスよりも長く感じて






今まで樹としてきたどんなキスよりも寂しくて







あったかかったんだ








樹「A?好きだった俺Aのこと
ほら、青だから行きな」







樹はこんな時でも優しくてとびきりの言葉を口にして優しく笑うんだ







『......樹』







名前を呼んだその次の言葉が見つからない私に微笑んでそっと背中を押した樹は少しだけ手が震えててさ





横断歩道を渡りながら唇を噛み締めて振り返らず公園へと向かうんだ








口を少しでも開いたら溢れ出そうな感情を抑えながらブランコに乗る2人の元へと向かうんだ








阿「Aおかえり」








2人の目の前に立てばブランコから降りた阿部ちゃんが私を見て微笑むから







おかえりなんて優しく言うから









『...っただ...いま』








感情が溢れ出て涙が溢れ出たんだよ








ラ「A...」








『....っわたし...じゅりのことっ...』









口から言葉を出せば比例して涙が溢れるんだ









阿「A大丈夫大丈夫...ね、大丈夫だから」








阿部ちゃんがそっと私のことを抱きしめて背中を優しく撫でるから阿部ちゃんの胸で声を出して泣き続けたんだ








泣き腫らした私を見た阿部ちゃんとラウちゃんによく頑張りましたなんて言われてさ







阿「アイス溶けちゃったからまた明日ふたりで買いに行こうね約束ね」








なんて阿部ちゃんと家に入る前に約束して









ラウちゃんはリビングに入る前に私の耳元で呟いた








ラ「阿部くんAのアイス溶ける前に食べたらよかったのにねなんで食べなかったんだろうね」









なんて下をペロッとしながらさ








この日溶け出した私の感情は甘ったるいなんてそんなもんじゃなくて









とろけだした感情はさとんでもなく苦しくて苦かったんだよ

いいのいいやいいわ 渡辺side→←星の数ほど謝って



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作者名:むぅ | 作成日時:2019年9月14日 1時

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