ネージュに染まれseason2 (ページ40)

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冷やして冷ましてページ40

阿「おやすみA」

『ありがとね阿部ちゃん』

阿「ほら冷やして寝なね」

阿部ちゃんから渡された袋に入った氷水を手に持って静かに二階へ上がる

自分の部屋の前で立ち止まったのは誰かさんの言葉を思い出したから

寝れるわけなんてないと思ったのは

頭に浮かぶの北斗のことや樹との関係

それに大我との歪んだ関係が全部全部考えれば考えるほど苦しかったから

ゆっくりとドアノブを回したのは蓮の部屋で

開けると蓮の匂いが鼻へとスッと入ってくる

ドアを閉め唇を噛みながら部屋を見渡せばベッドに寝てる蓮は寝返りをして声を出したんだ

「...ん、おいで」

『ねえ、蓮...』

「んーいいからおいでほら」

壁側に身体を寄せた蓮は腕を伸ばしてここにおいでなんて言っていて男女が同じベッドで寝るって

そういうことになるんだよって

高校生くらいでも分かるのに

でもさ

それでも全部忘れたくなったんだよ

ゆっくり同じベッドに入り阿部ちゃんから受け取った氷水を机に置いて蓮の方をむけば

目を開けた蓮と目が合った

「ちゃんと冷やせ」

『...でもそれじゃ』

あまりにも真っ直ぐ私を見る蓮に目を泳がせて言葉を出せば蓮はふふっと笑ったんだ

「ばか俺お前が寝るまでこうしてるだけだからね処方箋はここまでだから」

『え？』

「北斗さんとは違うから」

『...蓮？』

「そんなに甘やかさない俺
俺だけを見てくれる子にしかね」

蓮が長い手を伸ばして氷水の袋を手に取り私の瞼にゆっくりのせた

『冷たっ』

「思ってるより帰ってくんの早かったと思うけどね俺」

少しだけ嬉しそうに笑う蓮の声が聞こえて心臓がどきっとした

北斗の匂いに包まれてたはずなのにもう蓮の匂いしかしないことに気付いてそっと目を閉じたんだ