ネージュに染まれseason2 (ページ18)

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故に君目黒side ページ18

「めめぼーっとしてる」

『なんだよラウールか、ってかしてねえよ』

「してる」

『なに？もう行くって？』

「Aちゃんの準備終わったらね」

『そー』

「Aちゃんとなんかあった？」

『ねえよなんも』

外に出て蝉の鳴き声を聞きながら目を瞑って考えてたのは彼女のこと

隣でしゃがむラウールに心の中で大正解と呟いた

「めめとAちゃんって似てるようで真逆だよね」

『え？』

「Aちゃんって友達いないしインドアだし」

『お前それ悪口だろ』

「違うよ強そうに見えて弱いしさ物事はっきり言いそうでちゃんと考えてるし気も弱いし」

『いや、悪口だろ』

「なのに大きな口開けて楽しそうに笑うんだよ？ねえめめ？それってほっとけないよみんな」

そんなこと言われなくても分かってる

「珍しく遠慮してる？」

『は？』

「隙は埋めてくタイプでしょ？」

知らなくてもいいことを知ってしまった気がしてるのは

多分俺がみんなより彼女の秘密にしたいことを随分と知ってしまったから

それを知るごとに俺が彼女へ抱く感情を止められなくなってしまう気がしてるのは

それが気がしてるんじゃなくて事実だから

「もたもたしてる余裕なんてきっとめめにもないはずだよ？」

分かってる全部全部分かってる

でもな

俺らのことを家族のように受け入れてくれたみんなに対して抱く感情だってあるんだよ

「俺は遠慮される方が嫌だけどね」

ラウールのそんな言葉に思わず笑う

俺もそうだよ

「もしなんかあっても俺はめめに着いてくよ一生
まあ99.9パーセントなんもないと思うけどね」

知ってるよ

みんなとの関係が一生ものだってことくらい

『ばーか余裕だから俺は』

「んふふめめはそうでなくちゃね
でもねずっとめめに着いてくよ」

白い歯を見せて笑うラウールの頭をくしゃくしゃしながら

なんで君とこんな出会い方だったんだろうってちょっとだけほんのちょっとだけ思ったんだよこの時

でもそれが運命だよなって

次の瞬間には思ってんだけどな