ネージュに染まれ (ページ13)

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天邪鬼の向こう側ページ13

『寝すぎて眠い』

顔を洗ってリビングへ向かう廊下の黒板を見れば大きな字でAちゃんへとメッセージが書いてある

【Aちゃんへ
17:30に学校の校門でお迎え待ってるね
ラウール】

『かわいいなこりゃ』

思わず思ってることが声に出た

宮「あ、Aおはよ」

『おはよ』

宮「寝癖ひどくない？」

『あら、涼太くん女の子のそういうの気にしちゃう派？』

宮「女の子は丸っと全てかわいいと思うよ」

私の頭を撫でてソファーから立ち上がった涼太はおもむろにキッチンに向かうとパンとごはんどっちがいい？なんて優しく聞く

『涼太のおすすめにする』

宮「Aって意外と素直だったりしてね」

『初めて言われたよそれ』

寝癖を整えながら涼太を見て笑えば私を見て笑ってる

宮「天の邪鬼を拗らせてる感じ」

『それ悪口ね』

宮「大丈夫よ敵じゃないから俺ら」

何気のない一言に心臓がドクリと振動した

『...いい匂いするね』

言葉を飲み込んで目を閉じた

宮「ふふふっジブリ飯だよ」

涼太の言うように絵に描いたようなジブリ飯を頬張りながら

私の食べている姿を見てにこにこ笑ってる涼太に人の食べてる姿見てるの楽しいの？なんて嫌味を言ったのに

宮「なんかAは見れば見るほど隙があるから可愛いなって」

そんなこと言われたことなんてなかったから折角の美味しいご飯を私はバキュームみたいに一生懸命吸い込んだんだ

予約してる美容室へ行くという涼太からラウちゃんの学校を教えてもらい

気をつけてね迷った時は連絡して～と連絡先を交換した

涼太の仕事の話しやみんなの話しをして、少し化粧をすればあっという間にいい時間になって

ラウちゃんのお迎えへと昨日ふっかにもらった鍵を握りしめて外へ出た

想像してるよりもめんどくさそうな人たちに

想像してるよりも気が楽なことや

想像してるより悪くないと思ってる自分に気の所為だと首を振ったんだ