稀血のペットになりました。

＊ ページ32

実弥side

買い物に行きたい、なんてただの口実で本当はAと逢い引きがしたかっただけだァ。

Aに逢い引きみたいですね、と言われた時はバレたと思ったが、なんとか誤魔化せたと信じたい。

俺のために服や化粧を悩む姿は可愛い。

俺のためだけに、俺のためだけに…。

服屋では服を買ってやったァ。全部俺の趣味だけどなァ。

言うならば俺色に染まるってやつかァ？

しかし、服を送る意味を知らねェとは…。まあ予想はしてたが。

甘味屋では注文する時に口付けしてやった。

周りに見せつけてやるのも悪くねェ。

それにしてもA、外でも口移しで食べさせて貰うつもりだったのかァ？

すっかり依存しやがって…。

嬉しい限りだが、流石に人の目がある所で口移しはまずい。

代わりに備え付けのすぷーんとやらであーんとやらをしてやった。

これも案外悪くねェな。家でもするか？

なんて考えてたら甘露寺と伊黒がやってきた。相変わらずネチネチうるせェ。

しかも甘露寺がしつこくAに質問攻めやがる。

あいつも鬼だとバレるのも嫌だろうし答えにくい質問は俺が適当に答えてやる。

それにしても関係を聞かれて継子です、だとォ？

恋人って言えばいいじゃねェかよ…。

普段ならそんなことは思わねェかもしれないが、イチャイチャしやがる甘露寺と伊黒を見て妬みが産まれたのか、イライラすらァ。

俺も2人っきりの世界でイチャイチャしたいわァ。

そう考えながらとっとと用事を済ませて帰るために早くしろォと言いながらAの手を引きづり、甘味屋を出た。

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