稀血のペットになりました。

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甘味屋を離れたあと、向かったのは雑貨屋だった。

なんでも食器が足りないとかなんとか。

たしかにコップとか使い回してたけど…

『いります？それ。結局口移しするんじゃ買っても意味ないような…？』

ご主人様はお箸やらコップやらなにやら滑らすお揃いのものをどんどん買っていく。

でも正直そんなにいらないんじゃ？と思い問いかけてみると、しばらく考え込んでから

「…なんとなくだァ。」

と結局返事になってない返事をした。

うーんまあ備えあれば憂いなしってことなのかな？

考え込んでると、

「…単にお揃いのものが欲しかっただけだァ。」

と、ご主人様。意外と可愛い一面があるのかもしれない。

ふふっと笑うと笑うなやァと返される。が、心做しかご主人様の顔が赤くなっている。

ふと、あたりを見渡すと、ある簪が目につく。

綺麗だなあ、と思いつつも、自分の手持ちでは買えないし、かといってご主人様におねだりするには高すぎる。

(諦めよう…。)

一目惚れしたけれども、買えないのはしょうがない。

そのままご主人様の買い物に付き合いつつ、お店をようやく出ると、あたりはすっかり暗くなっていた。

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