惜別の.7 【tngr】(ちょいutsh) ページ7
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*grside
「あ”あ”あ”あ”!!」
「ちょ、グルちゃんうるさい。なんかあったん?」
コイツはシャオロン
俺らの一個下であり、お互いに相談相手でもある
何の相談か?
…貴様らは知らなくていい
「なに?トントンのこと?」
「…大先生にも来てただろ?」
「あ”ー…あれ?でもトントンに来たってことはグルッペンも…?」
「いや、フューラー家として国に貢献しているから来ないゾ。でも俺とトントンは確かに一緒には暮らしているが戸籍とかは動かしてなくてな。だからトン氏だけに来た、ということだ」
「はーえー、なるほどねぇ?」
俺は態度を一新しシャオロンと向き合うと、
シャオロンもまた姿勢を少し正す
「俺は、行ってほしくない」
「そんなん俺もや。たった…たった八ヵ月違うだけやのに…俺はあいつと対等になれん」
机に拳を叩き付け下を向き、少し震えている
色々な感情が混ぜこぜになっているのだろう
対等になれない事への悔み、別れが迫ることへの焦燥
そして……そんな状況でも想いが伝えられない自分への怒り
「…トン氏は父と約束したらしい」
するとゆっくり顔をあげる
「…どんな?」
「俺と母さんを守れ、だと。俺は…守られなくてはならない存在なのか?せめて、せめて共に戦い、そして共に終わりたかった」
「待ってや。その言い方はなんや。そんな言い方じゃまるで、もうあいつらが帰ってこぉへんみたいやん……」
その金色の瞳が揺らいでいた
「あいつらは絶対に帰ってくるんや!大先生なんか昔たんぽぽ食って生きとったんやで?そんな奴がこんなんで簡単にくたばるわけないやろ?トントンやってそうや、その大先生をいっつも追いかけてんねんで?そんな、そんな二人が……」
大粒の涙が流れ落ちていき、
言葉はどんどん弱くなる
「しぬなんて、ありえへんやろぉ……」
「……そうだなシャオロン、その通りだ」
シャオロンから流れ出た涙を拭い、その瞳を真っ直ぐ見つめる
「俺たちが惚れた二人だ。あいつらはきっと四肢がなくなってでも帰ってくる」
「だから……信じて帰りを待とう」
「…せやな!」
そう言ってシャオロンはとても明るい笑顔を見せた
俺達はあいつらを信じて待つ
トントンが父と約束したように俺もまた一つの約束を交わしていた
『グルッペン……お前は…お前はこの家を守れ。お前にはそれを成し遂げる頭脳がある。…信じてるぞ』
トントンが帰るまでこの家と母さんを守る。
それが俺の使命だ
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ルカルカ113(プロフ) - ココアさん» 丁寧なコメントありがとうございます!読者様のお言葉が励みになります。こういうところがよかった!悪かった!などお気軽にコメントしてくださるとうれしいです(*'▽') (2019年6月11日 1時) (レス) id: e202de0e6b (このIDを非表示/違反報告)
ココア(プロフ) - いつも作品読ませていただいてます。やはりルカルカ様の作品は面白いです。更新頑張って下さい。応援しております。 (2019年6月10日 21時) (レス) id: 6d6d59ac82 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年6月9日 14時