助けることに道理は無い。【ONEPIECE】 (ページ2)

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「じっちゃん。私、海出るからしばらく帰らない。」

ある日の朝、毎日の日課の村の高台から、水平線を昇ってくる太陽を見て、私はそのまま家に戻って同居しているじっちゃんに言った。

半分、いやそれ以上思いつき。

楽しそう。たったそれだけの理由。

「…もう一度言ってみろ。」

「いやだから、この村出るねって言ってる。」

「ふざけんなオラ。」

「え、やだ。」

「じっちゃん心配で仕方ないんだよぉ〜…」

「いや、子離れして？」

「いやじゃ。」

「まぁそういうわけだからよろしく。」

こんなやりとりをしてさっさとリュックを背負った私に、

今度は、じっちゃんは私の腕を掴んだ。

「行かせん。」

その目は、真剣だった。そりゃそうか。

「出るって決めたから。なんとかなるし、大丈夫。」

「お前の、その能力は…」

そこで私はじっちゃんから腕を引っこ抜いて、今度こそ勢いのままドアノブを握った。

「私の能力は、『危ない』『希少』。…でも、『誰よりも強い』。」

「じゃあね。」

片手を一振り。

じっちゃんの怒号が聞こえる中、私は村を、島を、飛び出した。

「ここから最短距離で近いのは…シャボンディか。

いいじゃん。そこでいーや。」

盛大な独り言を一つ。

そして私は大海原を前に大きくジャンプして、

黄色い翼を広げた。