憂鬱という名の闇。 ページ15
Aサイド
耕作と家を見に行ったのはつい昨日のよう。今日はあれから一週間。耕作がくれたニット帽が唯一の癒し。
今はまた抗がん剤を使い始めベッドから起き上がることすら困難。体重も、だいぶ減ってしまった。
そして今私はというと、
とてつもなく憂鬱である。というより、なんだか気持ちが下降している。
さっきから頭を支配する言葉達。
見えない誰かが私の頭を支配する。
お前は必要ない、ﾀﾋぬべき存在、邪魔者、弱虫etc。
さらには、
彼の中に君はいない。
とまで言ってくる。
ぁぁ。彼に、耕作に私は必要ないのか、そう思えてくる。
彼に私が要らないのなら、私は要らない存在。
いっその事ことﾀﾋんでしまおう。
そんな想いが私の心を支配する。今や私の心と頭は見えぬ誰かの物である。
そして私はついに動いた。
ベッドの傍に置いてある車椅子。
辛い体を無理やり起こし、終わったばかりの抗がん剤のパックがぶら下がる点滴台を見る。
そして、私はそっと、自分の右手から点滴の管を抜いた。
抜いた手を見ながら、私はゆっくりベッドから車椅子へと移動した。
病院の屋上はこの3階上。バレたら終わりだ。今は看護師さんが一番少ない時間帯。上手くいけば上へ上がれるはず。
私は自力で車椅子を押しエレベーターへと向かう。
エレベーターの前につき恐々とボタンを押す。左右後ろを見渡すが人はいない。
よし。と思いながら、エレベーターへと乗り込んだ。幸い、乗っている人はいなかった。
屋上。
屋上へと無事に上がれた私。ゆっくりと車椅子から立ち上がり、よろよろと歩き屋上の手すりをつかんだ。
そしてふと、私が大好きなアーティストの曲を思い出した。
どうせ死ぬなら、ちょっとぐらいいいよね。
どうせ逃げるなら、最後にいいよね。
そして私はゆっくり歌い始めた。
愛しい耕作やみんなを思って。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 245人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藍沢先生が好きな人 - 山P大好きで学校で山P山Pって先生に苦笑いされました。(笑 (2020年9月26日 10時) (
レス) id: 101530242c (このIDを非表示/違反報告)
藍沢先生が好きな人 - 私生意気な14歳 (2020年9月26日 10時) (レス) id: 101530242c (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 藍沢先生が好きな人さん» 返信遅くなりすみません！嬉しいお言葉、私には持ったいないくらいです。ありがとうございます！！！ (2020年9月26日 6時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
藍沢先生が好きな人 - 頑張ってください。これから楽しみにしてます。 (2020年9月24日 23時) (レス) id: 101530242c (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 赤兎さん» 赤兎さん、早速コメントありがとうございます！そうですよね…！バッドエンドだからこそ、本当はもっとこうだったのにー！とか思い浮かびます。ご意見ありがとうございます！ (2020年9月23日 11時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藍琉 | 作者ホームページ：http://.uranai.riane.jarrck
作成日時：2020年9月16日 22時
