Nectar (ページ8)

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そろそろ帰った方がいいかな、なんて思いつつ

なかなかその場を離れられない自分が居た。

彼が心配なのは勿論だけど

帰りたくない、なんて思っちゃうのはどうしてだろう

TN「ダメだよ、男にそんなこと聞いたら」

『 …え、』

TN「帰れなくかるかもしれないよ？」

前髪の隙間から覗く、彼の鋭い目。

妖艶で、魅力的で、どこか熱を帯びていて

そのまま吸い込まれてしまいそうだった。

TN「 ……なんてね。冗談」

____今まで何人の女の子を落として来たんだろう。

そんな表情で、そんな甘い声で

女の子なら誰だって落ちるに決まってる

『 ……本気にしちゃうじゃないですか』

TN「ふふ、ごめんね。可愛かったからつい」

まるで呼吸をするかのようにサラッとそう言うから

冗談だって分かっていても、私の心臓は高鳴るばかりで。

彼は立ち上がって少し腰を下げると、

大きな目で私の顔を覗き込んだ。

TN「 ……じゃあさ

帰っちゃう前に、君の名前教えてくれない？」

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