【銀魂】俺の嫁は超ド級のS女5【坂田銀時】

◇第百九十八章◇ ページ5

天人｢俺をどうするつもりだ、人間｣


土方｢チッ、しゃーねぇか……｣


意図しなかった状況に舌打ちをし、天人へ警察手帳を見せ付ける。


土方｢真選組だ。薬の密輸及び殺人容疑で逮捕する｣


天人｢た、逮捕！？ちょちょちょ、ちょっと待てよ！！確かに薬の売買はしてたけどよ、人は殺してねぇじゃねぇか！｣


山崎｢直接的じゃなかったけど、間接的でも同じ事だ。お前らが売り付けた薬と同じ成分のウイルスに感染して、今も沢山の被害者が出てるんだよ｣


天人｢し、知らねぇよそんなん！俺関係ねぇし！！｣


白を切る天人に腹が立ち始めたような土方さんは、貧乏揺すりをしながら刀を顔の前に突き刺した。


天人｢ヒッ……！｣


土方｢それ以上ガタガタ文句言うと、その頭と体引き剥がしちゃうよー｣


軽い声で何とも恐ろしい事を……。この人ならやりかねないから、尚のこと恐ろしい。雑魚助──基、天人さんもご愁傷さまです。


すっかり黙ってしまった天人さんの腕に手錠を掛け、時計を確認する山崎さん。


山崎｢十六時三十八分、犯人逮捕です｣


言われた時間をメモし紙を懐にしまった土方さんは、天人さんにワクチンの製造を命令する。


土方｢出来んだろ、そんくらい｣


天人｢出来なくはねぇ、けど｣


困った様子で考え込む天人さんに、疑問を抱いて言葉を促す。


土方｢けど……何だ？｣


貴方｢ひょっとして材料が足りないとか？｣


天人｢いや、材料は充分にある。ただ、少しだけ時間が掛かるんだよ｣


土方｢どれくらいだ｣


いつも以上に瞳孔の開いている目に怯えながら、恐る恐る答える。


天人｢一、二時間ほどになる｣


その時間は普段なら軽い気持ちで待っていられるものだった。が、今の状況下で一秒でも早く事態を解決したい私たちにとってみれば、地獄のように長い時間だ。


山崎｢そんな……｣


土方｢……考えてる暇はねぇってわけか。クソッ、もう待つしかねぇ。作るぞ｣


手錠を掛けられた天人さんの腕を掴み、工場へと向かおうとする土方さん。ふと、私はさっきから黙っている銀時が気になり、声を掛ける。


貴方｢どうしたの？｣


銀時｢……いや、な｣


ほんの少し考える素振りを見せ、連れて行かれそうな天人さんに向き直る。

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