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◇第二百三十二章◇ ページ39

風呂から上がって来た銀時は、髪も乾かさずに布団へ潜ろうとする。


貴方「天パがレベルアップしちゃうよ」


銀時「うるせっ。そんなに言うならお前が乾かしてくれよ」


貴方「あら珍しい」


本人たっての希望により居間へ連れて行く。ソファに座らせ、後ろからドライヤーで髪を乾かしてあげる。


貴方「銀時にとってさ……」


銀時「んあ?」


寛いでいる銀時は、気だるげな声で返事をする。こんな事聞いても良いのか分からない。私は私に自信が無いのだろう。あの事件以降、それが更に増してしまった。


貴方「私って、必要……?」


恐る恐る声に出す。自分でも変な事を聞いていると分かる。返事が怖い。もし要らないって言われたら……有り得ないはずなのに、そんな事を思ってしまう。


銀時「何、その質問」


心無しか、少し声のトーンが下がった気がする。怒ってるのかな。
私も何でこんなこと考えてるのか理解出来ない。頭に来る気持ちも分かる。


貴方「ごめん、変な事言った」


作り笑いをしながら、今度は黙々と髪を乾かす。数秒の間沈黙が続いた。それを破ったのは銀時だった。


銀時「お前はさ、生きてる意味ってモン失いかけてんじゃねぇの」


貴方「……え」


生きてる意味。そんなの今も昔も同じ。だと思っていたはずなのに、まるで図星を突かれたかのように心臓が跳ねた。
いや、きっと自分でも気付いていなかっただけで、本当は銀時の言う通りなのかもしれない。


銀時「そんなんじゃ、また過去に戻っちまうぞ。昔、まだ知り合って間も無い頃、俺が言っただろ」


またそうやって、この人は私を生かす。どうしたって私の存在意義を示してくれる。


銀時「生きる意味が分からねぇなら、俺の為に生きてくれって」


駄目だ。この人は優し過ぎる。いつも支えられてばかりで、何も恩返しが出来ずにいる。


いつだって、私はこの人に助けられてばかりで、それが幸せで仕方が無いんだ。

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , ドS   
作品ジャンル:アニメ
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鬼灯(プロフ) - 初めまして…!!続き楽しみにしてました、既に好きです!!!!シリーズ最初にリンクの貼ってあったヒカリ証明論も聴かせて頂きました…滅茶苦茶に歌い方も好みでした((((これからも応援してます!! (2021年9月5日 18時) (レス) id: 9ea7ca46b0 (このIDを非表示/違反報告)
またまた - 初めまして!最高でございます、はい、、大好きです!!!!!これからも応援しておりまする!! (2021年8月4日 1時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - おかえりなさい!続き凄く楽しみにしてました。 (2021年6月19日 6時) (レス) id: 03c126c95f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:LAZU(らず) | 作成日時:2020年6月27日 8時

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