◇第百九十六章◇ ページ3
最上階へ続く階段を登る。明かりはほとんど無く、階段には所々ヒビが入っていた。
山崎「何だか気味が悪いですね……。まるで洋館みたいです」
銀時「ちょっとやめてよねジミーくん、冗談でも言って良い事と悪い事があるよ」
土方「そ、そうだぞ山崎……。大体、こんな暗い所に幽霊さんたちが出てくるわけがないだろ」
貴方「土方さん、暗いからこそ幽霊さんが出るんでしょうが」
土方「きっ、決め付けてんじゃねぇよ!」
暗がりの中でも分かるほどガタガタと震える二人の姿は滑稽である。笑うからやめて頂きたい。
貴方「兎に角、さっさと行きますよ」
恐がる二人を山崎さんと一人ずつ引き摺り、階段を登っていく。因みに土方さんは山崎さんが、銀時は私が引き摺っている。
銀時「もう良いんじゃない……?江戸滅んでももうどうでも良いよ」
貴方「アンタそれでも侍ですか」
銀時「じゃあ侍退職します」
貴方「侍って職業だったの?」
そんなに幽霊さんが怖いんですか、情けない。可愛いなもう。
山崎「土方さん、仮にも副長なんですからもっとしっかりして下さいよ。副長がこんなんじゃ隊にも示しが付きませんよ、全くもう」
土方「ふ、ふざけんな。俺はいつだってれれれ、冷静だ……!」
山崎「何処がですか」
鬼の副長とは良く言ったものだ。こんなイケメンさんが独り身なのも疑問に思っていたが、なるほど。こりゃおモテにならんわな。
理由は別にもありそうだけど……。例えば既に心に決めた人がいる、とか。まだ土方さんと出会ってからそんなに日は経ってないが、そんな気配全く感じた事がない。
勝手な予想だけど、その線で行ったらその人はきっともう……いや、やめておこう。人の事情に首突っ込むなんて失礼極まりない。
悶々と土方さんの事について考えていると、いつの間にか最上階の部屋の前まで来てしまっていた。
扉にはデカデカと「かんりしつ」と書かれたプレートが掛けられていた。
銀時「此処だな、管理室は」
土方「何で自室みたいになってんだよ。しかも平仮名……。せめて自分の名前吊るしとけや」
銀時「きっと事情があったんだよ、並々ならぬ事情が」
土方「あるかっ!絶対ふざけてるだろ!」
山崎「副長、大きな声は禁止ですよ……!!」
部屋の前で大声は気付かれますって。それよりさっさと入って片しちゃいましょうよ。沖田さんが死んでしまいます。働き過ぎで。
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鬼灯(プロフ) - 初めまして…!!続き楽しみにしてました、既に好きです!!!!シリーズ最初にリンクの貼ってあったヒカリ証明論も聴かせて頂きました…滅茶苦茶に歌い方も好みでした((((これからも応援してます!! (2021年9月5日 18時) (レス) id: 9ea7ca46b0 (このIDを非表示/違反報告)
またまた - 初めまして!最高でございます、はい、、大好きです!!!!!これからも応援しておりまする!! (2021年8月4日 1時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - おかえりなさい!続き凄く楽しみにしてました。 (2021年6月19日 6時) (レス) id: 03c126c95f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LAZU(らず) | 作成日時:2020年6月27日 8時