◇第二百十一章◇ ページ18
銀時「残り一分を切ったな」
感覚で時間を確認しているはずなのに、何故か当たっているという確信を得られる。残り一分。やっとだ、やっとこの地獄のような現実が終わる。
貴方「頼むから、この状況で感染するのはやめてよ。銀時に殺される前に逃げるの、絶対無理だからね」
銀時「それはお前も同じだろうが。寧ろ俺より欲深いAの方が感染しやすいだろ」
貴方「いや、何だかんだ銀時の方が欲深いと思う。十円賭けても良いよ」
銀時「要らねぇし、何その賭け」
よくこんな状況の中でこんな会話を出来るなと自分でも思うが、後少しなのだ。こんなところで殺されてたまるかってんだ。
銀時「後二十秒くらいか。ったく、さすがにこんな血生臭いのは久しぶりだ」
久しぶり、か。一体銀時は、私と出会う前にどんな運命を歩んできたのだろうか。
そして何より、私にとって血は嫌な気分にさせる。両親を思い出すから、というのも勿論あるが、何より──
貴方「何でこんな興奮するんだろ……」
もっとこの臭いを嗅いでみたいと思ってしまうのが嫌なのだ。こんな臭い、大っ嫌いなはずなのに。
銀時「何、万年発 情期かよテメーは」
貴方「そういう意味じゃないわ!」
尽く私のシリアスモードぶっ壊してくるな、コイツは。まぁ、今はその方が有難いんだけど。
銀時「冗談だよ。そんな事より、後十秒だ」
あんま冗談ぽく聞こえなかったんだけど。それより、残り十秒か。長かったな、此処まで。それでもって、まだ油断は出来ないってわけだ。いつの間にか敵に囲まれてしまった。
銀時「A、絶対殺すなよ」
貴方「善処するよ。でも、私にとって一番護るべきモノはアンタだ。もし危なくなったら、私は迷わず感染者を殺すよ」
感染者を生かしてこっちがやられてりゃ世話がない。銀時のためなら何人だって殺せる。
銀時「俺は姫か何かか?普通そういうのは男が言うもんだろ」
貴方「姫なのは合ってると思う」
銀時「何でだよ」
周りは敵だらけだというのに、こんな話をする余裕すらあるのは、きっとこの地獄の状況に慣れてきてしまっているからなのだろう。
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鬼灯(プロフ) - 初めまして…!!続き楽しみにしてました、既に好きです!!!!シリーズ最初にリンクの貼ってあったヒカリ証明論も聴かせて頂きました…滅茶苦茶に歌い方も好みでした((((これからも応援してます!! (2021年9月5日 18時) (レス) id: 9ea7ca46b0 (このIDを非表示/違反報告)
またまた - 初めまして!最高でございます、はい、、大好きです!!!!!これからも応援しておりまする!! (2021年8月4日 1時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - おかえりなさい!続き凄く楽しみにしてました。 (2021年6月19日 6時) (レス) id: 03c126c95f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LAZU(らず) | 作成日時:2020年6月27日 8時