まずは声だけ攫わせて ページ30
ここまで来るともはや思い込みかもしれないと、ふと気になる。
でもそもそもこれを実行しようと思ったのはそんなあやふやな想いを確かにする為だったことを思い出して気合を入れ直す。
遂に当日を迎えた。
ちゃんるなは全て終わってから思い出綴りのようにFBに投稿するからそれは無視、インスタも無視だ。
実況のように呟き続けるTwitter監視だけに努めた。昼に集まり飯食ってそれから向かうらしい情報を元に眠たげなレトさんを叩き起して連れ回した。
もちろん飯食うとこから一緒のルートを回るに決まっている。
Twitter監視は怠りはしないもののちゃんるな、Aを含めて今日の集まりは計6人、突然の予定変更があって他の場所にいかれたら全ての計画が台無しになる。
「スーパーマン、ここ俺ら浮いてない？」
「浮いてるとか浮いてないとか関係ねえんだよ……あ！何マスクしてんだよ！バレんだろ！」
「季節の変わり目の花粉がおるんやって……」
ほぼ女子しかいないカフェに男2人は結構厳しいものがあったが、んなのは関係ねえ。
「俺は白々しく演技出来るか不安しかないんやけど」
新しく買ったスマホをいじりながらAを凝視している俺を見たレトさんは困り眉になりながらも「ハハ」と声を出して笑った。
「必死か」
必死だっつの！！
Aと出会ってからコンタクトの度数あげ、盗聴器を法に触れない程度ギリギリでは使えるのはどこまでか調べ、やけに突っかかってくるテメェのストーカー利用し、レトさんに新しいスマホ買ってやるくらいには必死だ。
A達の集団は当初の予定通りあらゆるスポーツが楽しめる娯楽施設へと向かった。
レトさんには無縁過ぎたがちょっと俺がわくわくするのは許して欲しい。
あまり楽しみ過ぎても目的を忘れるし……と集団が中に入ってから数十分後にその施設に足を踏み入れた。
無料で出来るものもあって入るだけはタダでバドのコートやサッカーコートもあるし、本当にあらゆるスポーツが出来るようだった。
ちょうどバドのコートの出入口付近に集団の鞄がまとめて置かれていた。
財布や貴重品はどうやら受け付けに預けてるらしくそこだけは安心。
俺は難なくAの鞄を見つけて手に隠し持っていたスマホ、レトさんにはバレないように小型の盗聴器を忍ばせた。
耳に取り付けたBluetoothが青く光る、同期は完了だ。
「よし、帰るか、お礼に飯奢る」
離れても遠くだけど聞こえるAの声に頬がだらしなく緩んだのをそっと手の甲で隠した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 433人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なみの - えっ！？返信ありがとうございます・・過去作なので返して頂けるとは思ってませんでした。 (11月5日 13時) (
レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - なみのさん» コメントありがとうございます。ヤンデレと言うより情緒不安定なだけのメンヘラになっちゃったような気もするのですが…エモ感じて頂けて何よりです！ (11月2日 8時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - ヤンデレキヨさん最高でした。エモ過ぎて泣いちゃった・・・ (10月15日 3時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - 末永くお幸せにいいいいいいい((殴 (10月15日 3時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» コメント通知が死んでいて気付かずレスがかなり遅くなり申し訳ありません。感想コメントとても嬉しかったです。後半ネタばらしは最初から決めていたのですが私も書いてて楽しかったです。私がメンヘラヨさんを書くにあたって気にした点を全て気付いてくださり嬉しいです (2022年10月2日 22時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：luco
| 作成日時：2019年10月14日 7時
