総ては愛から廻りだした物語 ページ26
レトさんがストーカー被害に悩まされてると言う話を聞いたのはAと本当の意味で映画を見た次の日のことだった。
あまり何回も行って身バレするのは避けたかったからもう付き纏ったり水曜日に映画館に行くのはやめようと思っていた矢先のことだ。
珍しく撮影部屋じゃないレトさん家に呼び出されて相談されたのだ。
そんでもただ家の前にいるくらいのことしかされていなかったような気がする。
そんなことくらいじゃ警察は動かないことは承知済みで寝不足だということを強く主張していた。
人が家に来ると決まっていなくなるらしいからと俺を呼んだらしい。
「俺、適当な時間に帰るしとりあえず寝れば？」
「そうするわ」
寝室に入って行ったレトさんを見送った。
ものの数分で寝息が聞こえてきた。
相当参ってるな……そう思い机の上に置かれた鍵をパーカーのポケットに入れて外に出た。
「おい」
電柱の影に隠れるように立っていた女に声を掛けた。
��人が家に来ると決まっていなくなる��訳ではなく他の人間の危機管理能力によってバレることを避ける為に隠れてるだけのように見えた。
これはただの俺の推測だけど人がいつからいつまでいるのかなんてこの女にわかる訳がないし人がいなくなると現れるならずっといるしかねえじゃん。
俺が声を掛けたことによってビクッと肩を跳ねさせた隙を狙って被ってたフードをちょんと触ると眼鏡とマスクをした黒髪の女が怯えた様子でこちらを見ていた。
……こいつ見覚えがある顔してる。
「お前……」
「レトくんには言わないで！」
声で確信した。
こいつレトさんの前の女だ。
いつだっけ、いつだったかに「そういや別れたわー」と軽く言っていて「あっそ」と流しただけだったから……クソッ……ちっとも覚えてねえ。
「いやいや何してんの？ストーカー？」
「好きなの、諦められないの」
「は？嫌われてえ行為しかしてないの気付いてんの？」
「だって電話番号変えられちゃったし、もう理由がなくても会えない……なら会いに来るしかない」
まあ、レトさんメンヘラ見てえな女のことが好きだし別れた女がこんなことになるのは俺的には意外だとは思わなかった。
ふぅんとさもどうでもいい相槌をしながら俺は腕を組んだ。
「取引する？」
少し涙ぐんでいた女は「へ？」と素っ頓狂な声を出した。
「電話番号教えてやる代わりに俺に協力しろ」
ニヤリと笑った俺に震えた声で「じ……条件による」と言ってから女は目元を腕で拭った。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なみの - えっ！？返信ありがとうございます・・過去作なので返して頂けるとは思ってませんでした。 (11月5日 13時) (
レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - なみのさん» コメントありがとうございます。ヤンデレと言うより情緒不安定なだけのメンヘラになっちゃったような気もするのですが…エモ感じて頂けて何よりです！ (11月2日 8時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - ヤンデレキヨさん最高でした。エモ過ぎて泣いちゃった・・・ (10月15日 3時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - 末永くお幸せにいいいいいいい((殴 (10月15日 3時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» コメント通知が死んでいて気付かずレスがかなり遅くなり申し訳ありません。感想コメントとても嬉しかったです。後半ネタばらしは最初から決めていたのですが私も書いてて楽しかったです。私がメンヘラヨさんを書くにあたって気にした点を全て気付いてくださり嬉しいです (2022年10月2日 22時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年10月14日 7時
