痛みを溶かす帰り道/rt ページ13
ここ最近、視線を感じる。
「何か見られてんなと思ったらAちゃんじゃん」
「えっ、Aが見てるのに俺が下手なサッカーやらなあかんの？」
「俺に文句言われても」
「うっしーの薄情者〜」
はいはいと言いながらうっしーは俺を引き摺るようにしてグラウンドの中央へと向かって行く。
昼休みにキヨくん達と昼飯を食べると言う形でAを見るといつも窓際に座っていた。
友達かAが窓際の席なんか、それとも誰かの席を使ってんのかと思っとったけど、いつだかの帰り道に「窓際は特等席だからね、強運で当てるかサッカー部員の場合、日頃の感謝として交換する決まりになってるから」と言っていた。
そん時はマネのカカア天下感が受け継がれてるのがうかがえて腹抱えて笑ったもんや。
体育の時いつも見れるからって理由やったら可愛いメーター振り切って俺の鼓動が爆発してまう〜と思いながら挑んだサッカーは惨敗だった。
やっぱサッカーなんて嫌いや。
キヨくんとは家が近所でそれなりに仲が良かった。
キヨくんが入学したての頃に一緒に帰ろうと約束をしていて弓道場で着替えてグラウンドへ向かう途中で洗濯カゴを持った女の子に釘付けになった。
一目惚れだった。
そこからキヨくんを介して紹介して貰って付き合うまでいろいろあったけど何とか付き合って貰えた。
だから、部員全員が下の名前呼び捨てでも俺は妬いたりしないと付き合う時に決めていたけど実際は死ぬほど妬いた。
部活引退した後もそんなんじゃないってわかっとんのに気が気じゃなくて先帰っていいよと言うAに図書室で勉強してるから一緒に帰ろうとゴリ押ししたくらいや。
でもな、知っとんねん、サッカー部の部室棟の近くにある通路を少し進むと弓道場があってまだ俺が現役だった時は部活中に時々覗いていたAを。
その時に感じた視線はいつも女子と話してる時。
あの痛い視線、俺は嬉しくてたまらなかった。
「お待たせ、待った？」
「待ってない、お勉強してた」
Aはチラと俺を見ると「……ほんとに？」と聞いてきた。
ほんとです、と答えると「妬きながら待ってるのはしんどくない？」とまさかの質問が耳に届いた。
Aを見ると少し頬が赤かった。
「妬いてんのは俺の勝手やからしんどくない」
「わたしが好きなのはちゃんとレトさんだけだからね」
そう言って俺の手をきゅっと握ってくれた。
やっぱりレトルトさん爆発案件かも、と思いながら「うん」と呟きその小さな手を握り返した。
きみがくれる嬉しいは幸せだ/ky→←痛みを溶かす帰り道/rt
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luco(プロフ) - Kiloさん» kilo様、お返事遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます！この作品は私もお気に入りなのでお褒め頂き光栄です。他にもたくさん作品がありますので読んで頂けたら幸いです！ (2022年10月2日 22時) (
レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
Kilo - 随分前の作品に失礼します。最近実況者にハマり読み漁っていたところこの作品と出会いました。ほんとに素晴らしい作品です、大好きです！！ (2022年1月7日 17時) (レス) @page1 id: 658d10d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 素だらけのプリンさん» 素だらけのプリン様、リクエストありがたいです、自己申告ありがとうございます！何より作品をお読み頂けたことが嬉しいです。これからもマイペースに頑張りますのでお時間合えば遊びに来てくれると大変嬉しいです（；_；） (2020年1月22日 21時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
素だらけのプリン(プロフ) - リクエストさせてもらったり、陰ながら読ませてもらったりしていました！完結おめでとうございます！！これからも応援してます(っ`･ω･´)っﾌﾚｯ!ﾌﾚｯ! (2020年1月22日 20時) (レス) id: ad16a57ad3 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - みほろさん» みほろ様、コメントと完結おめでとうのお言葉ありがとうございます！ガチ恋のお話至る所で出しててしつこくないかなとビクビクしてましたがお褒め頂けて嬉しい〜！です。これからもマイペースに頑張るのでお暇な時にまた遊びに来てください！ (2020年1月21日 23時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年8月2日 0時
