ちゃんと笑うきみと向き合いたい ページ36
居酒屋を後にして目と鼻の先にあるホテルに入った2人を見送ってから、もう1度頭の中を整理しようと顎に手を置いてから数十分後に出てきたキヨくんは車のキーを持っていた。
キヨくんが言うにはホテルの規則として宿泊している人間以外は部屋に入れないらしい。
面会ならロビーで、らしく大事な話をホテルのロビーですんのもやでしょ？と言われた。
家出した理由がまず聞きたいから大事な話と言うよりかは重い話になりそうやけど。
ホテルの駐車場に置いてあった車に乗り込んだキヨくんは助手席に座るように俺を促してから「過呼吸にもなってるし、気遣ってやれよ？大人でしょ？」と未だに機嫌の悪さが残ってる俺の頬にぐりぐりと人差し指を押し当ててきてからエンジンを掛けた。
「話したいことはちゃんと言わなきゃ……伝わんねーかんな」
車のライトを付けて前方後方を確認しながら放ったキヨくんの言葉は俺に向けて、そして自分の為に言ってるようでもあった。
「キヨくんもがんばり」
「レトさんもな」
そして現在に至る。
行き先は彼女の家らしく巻き込んでしまったことに申し訳なさを感じ始めていた。
俺とAちゃんが重い空気を醸し出してるのを危惧してかキヨくんと彼女は家に着くまで他わいのない話をしてくれていた。
思っていたより家は近くてあっと言う間に家に着いてしまった。
ひとり暮らしのようやし、そりゃ実家暮らしでもなけりゃ職場の近くに家を借りるかと納得しながら車を降りるとAちゃんは彼女に肩を抱かれて小綺麗なマンションのオートロックの扉を潜った。
俺とキヨくんも続くとエレベーターが目前にあった。
「あー……わたしの部屋2階なんで階段でもいいですか？」
さすがに2階と言えどエレベーターに4人密室は気まずいのかもしれんと思っていたら「し、深夜のエレベーター怖いじゃないですか」と言って頬を赤らめていた。
隣に立っていたキヨくんを横目で見上げると目を閉じて天を仰いでいた。
いや、まあ、言いたいことはわかるけども……。
彼女の隣にいたAちゃんも帽子で表情は見えなかったけど「階段で行きましょう」と言いくすくすと笑っていた。
良かった、これは、ちゃんと笑ってる。
2階の角部屋の前に着いて鍵を開けた彼女はAちゃんを部屋に入るように促してから続いて俺の背を押した。
「戸締りはこちらでしますから、暑かったらクーラーかけてくださいね」
その言葉を最後に玄関はガチャンと閉められてしまった。
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luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» ずっと温めてきた作品だけに思い入れが強いので真っ直ぐに作品を読んで褒めて頂けて感無量です…！彼だからこの結末になって彼だからこその作品になった気がします。とp4の関係性が大好きなので気を遣って書いたので気に入って貰えて良かったです！ (2021年8月18日 0時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
赤の黒犬 - 普段常識人だからこそこういう禁断の恋一歩手前のレトさんが凄く輝いている気がしました。lucoさんの人選が流石過ぎます。今回の世界線はそれぞれの立場が切な過ぎて胸痛いです。その分報われて感動でした! それに今回は特にtop4の関係性が見えて最高でした! (2021年8月9日 3時) (レス) id: d5158b45c8 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - ゆりさん» ゆり様コメントありがとうございます！感情直球とっても嬉しいです！！読んで頂けて本当に感謝です（；_；） (2019年10月11日 11時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - すごくすごく好きです。お疲れ様です！ありがとうございます！！ (2019年10月11日 10時) (レス) id: 284b51d183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年3月8日 1時
