ふたりで叶える物語/fj ページ34
「願い事、書こ？」
雨が降ったらアルタイルとベガが逢えないと随分ロマンのある理由で落ち込んでたAも夕方頃には普段通りに戻っていて、乗り換えで降りた電車の構内にあった笹を指差して立ち止まっていた。
俺的にはアルタイルとベガは新婚生活に溺れて仕事しなくなって怒られてる訳だし離婚させられなかっただけ天帝に感謝すべきだと思うけど、そんなこと言ったところでロマンがない！と怒られそうだから胸の中に閉まっておくことにした。
まあ、でも願い事を書くくらいで叶う確率があがるならそれに肖りたいって想いもあったりする。
「いいよ」
少し先を進んだ歩を戻して渡された短冊を手に取りペンを走らせてから笹に括りつけた。
歩き出しながらAが俺の顔を覗き込み「なんて書いたの？」と聞いてきた。
言葉にするのはちょっとと思ったけど興味ありげにキラキラ光る瞳に負けた。
「彼女のアルタイルになれますようにって書いたよ」
「えっ」
一瞬にしてAのは顔が引き攣った。
Aが七夕みたいなロマンチックなことが好きだから喜ぶ顔が見たくて柄にもないことにしたけど、ちょっとクサすぎた？
「……あっ」
もしかしてAじゃなくて彼女って書いたのがまずかった？
彼女ってもちろんAのことだけど、あんな公共の場所で個人名を出すのは大人としてどうかと思って控えたんだけど。
慌てふためいた俺は言い訳するみたいに未だ引き攣った顔のAの前に立ち塞がった。
「俺のベガはAだよ！？」
そう言うときょとんとした顔をした後に盛大に溜息を吐かれた。
「フジくんだめ、全然わかってない」
「なんで〜？なにがだめなの？」
全ての憶測が外れてお手上げだった。
「ア……アルタイルとベガは、1年に1度しか会えないんだよ？」
皆まで言わなくてもわかってしまったけど、照れながらもちゃんと言葉にするとこは素直で偉くて可愛くてついつい甘やかしてしまいたくなる。
「やなの？」
緩む頬を隠しきれないまま、そう聞くと俺の目を見ずにこくんとゆっくり頷くもんだからアルタイルの気持ち、わからんでもない。
「比喩表現てやつよ」
またAの隣に移動して小さな手をきゅっと握った。
「俺はちゃんとここにいるべ？」
言葉の意味を理解したAは「うんっ！」と言ってから夏の大三角形の中で1番輝くベガのように綺麗な笑顔を俺にくれた。
��彼氏とずっと隣で歩いていけますように��
なんて可愛い彼女に書かれたら叶えてあげなきゃね？
みつめあえる距離よりちかく/ky→←拝啓、天の川の人たちへ/ky
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luco(プロフ) - かりんさん» かりん様、温かいコメントありがとうございます！gtさんのお話はなかなか慣れないのですが読みたい方がいらっしゃるので今回頑張りました！次回作も最後の方に出すつもりなので楽しみにして下さると嬉しいです！ (2019年8月6日 0時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 完結おめでとうございます！いつも楽しく読ませてもらっていました。gtさん大好きなので今回gtさんのお話が沢山あってとても嬉しかったです！次回作も読ませていただきます！ (2019年8月6日 0時) (レス) id: e9726304d4 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - りんご様、完結おめでとうのお言葉ありがとうございます！ドルオタなのでドルパロが大好きなもので.......お褒め下さり嬉しいです！頑張ります！ (2019年8月5日 21時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - こんばんは！完結おめでとうございます！ドルパロ良いですね！長編が楽しみです！頑張ってください！ (2019年8月5日 21時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - りんごさん» りんご様こんにちは！同担様でしたか！中々同士様がいらっしゃらないので嬉しいです。新作もお読み頂けてありがとうございます(*¨*)例に漏れずドルパロでしたがお褒め下さり嬉しいです。 (2019年7月29日 18時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年5月18日 5時
