溶けない愛も飲み込んで/ky ページ41
「ただいま」
「おけーり」
何時に帰ってきたのか普通にリビングには編集してんのかiMacと向かってるキヨがいた。
買ってきたアイスの袋を持ち上げて「買ってきたよ」と言うと「マジか！」と言って駆け寄ってきた。
「サクレライチ売ってんの知ってたなら見たってことでしょ？」
「そうだけど」
「どこで見たの？」
知らないと言ってたし昨日、美容院行ったあとマリメ撮るとか言ってたから美容院でその話になったかフジくんが買ってきたのを見たのかどっちかと思っていた。
「ファミマ」
「は？」
「ファミマで見た」
「じゃあ、なんで知らないって言ったの？」
「俺はファミマで見たけどもしかしたらAが行くファミマにはないかもしんないじゃん」
手を差し伸ばしてきたキヨの手に小さなスプーンを置く。
「俺はファミマで見たよって言えばいいでしょ？」
「これは罰だからそんなこと言ったら罰にならないじゃん？」
口角をあげて笑ったキヨはそのまま袋を持つわたしの前を通り過ぎ冷凍庫に向かった。
「アイスならここに……」と言いかけて目の前に広がった光景に固まる。
冷凍庫から取り出したサクレライチを持ったキヨがそれをわたしに差し出してきた。
「一緒に食べよーぜ、お寝坊ちゃん」
頬が綻び相当間抜けな顔になり「甘いな〜」と言いながら差し出されたスプーとサクレライチを受け取った。
少しだけ溶け出した袋に入ってるサクレライチを迷わず手に取り冷やして置いたサクレライチをわたしにくれる、そんな些細な優しさが胸に染みて好きが溢れる。
「俺は甘いよ？Aにだけ」
「そうなの？」
机に並んで座りカップの蓋を開けると蓋の裏をひと舐めしたキヨと目が合う。
「俺はAの彼氏だからね」
スプーンですくってサクレライチを口に入れるとレモンとは違った甘さが口の中に広がった。
「甘いなあ」
口の中いっぱいにアイスを詰めたキヨが「俺が？」と聞いてきた。
あはは、と笑い袋みたいになった頬を指でつついた。
「どっちも」
ゴクンと頬の中のアイスを喉に流し込んだキヨは、にぱっと笑顔を向けてきた。
「Aも甘いじゃん」
言われるまでもなく甘い自覚はしている。
嫌いな野菜を入れずにご飯作ってあげるし、起きたい時間に大半は起こしてあげるし、こうしてアイスも買ってあげるし、夜のお誘いだって一度も断ったことがないし、
「キヨのこと好きだからね」
その言葉を聞いて、降らせてくる唇も拒むことなく受け入れてあげるとこもあるしね。
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luco(プロフ) - かりんさん» かりん様、温かいコメントありがとうございます！gtさんのお話はなかなか慣れないのですが読みたい方がいらっしゃるので今回頑張りました！次回作も最後の方に出すつもりなので楽しみにして下さると嬉しいです！ (2019年8月6日 0時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 完結おめでとうございます！いつも楽しく読ませてもらっていました。gtさん大好きなので今回gtさんのお話が沢山あってとても嬉しかったです！次回作も読ませていただきます！ (2019年8月6日 0時) (レス) id: e9726304d4 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - りんご様、完結おめでとうのお言葉ありがとうございます！ドルオタなのでドルパロが大好きなもので.......お褒め下さり嬉しいです！頑張ります！ (2019年8月5日 21時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - こんばんは！完結おめでとうございます！ドルパロ良いですね！長編が楽しみです！頑張ってください！ (2019年8月5日 21時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - りんごさん» りんご様こんにちは！同担様でしたか！中々同士様がいらっしゃらないので嬉しいです。新作もお読み頂けてありがとうございます(*¨*)例に漏れずドルパロでしたがお褒め下さり嬉しいです。 (2019年7月29日 18時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年5月18日 5時
