きみを振り向かせる正解は-2- ページ48
耳を疑った。
嘘なのかと思った、友愛の意味なのかもしれない。
それでもわたしの瞳を見つめるキヨ先生からは嘘でも友愛でもないことが伝わってくる。
「Aは変わらないで、そのままでいて」
そう言って目線を逸らしたキヨ先生が涙で霞んで見えない。
どんな表情してるのかもわからなくても泣いたわたしに気付いて両手を握ってくれたキヨ先生の手は熱かった。
「……キヨ先生、わたし」
「A、もう俺はお前の先生じゃないから」
ハッと気付いてキヨを見上げると少し困った様に笑っていた。
最初から隠せていなかった優しさ、俺はそういう人間なの！と言ってたけど、どこか無理してる様な気がしてた。
チャラそうに見えて本当は真面目なとことか、押し付けがましくない優しさとか、好きな所なんて上げればキリがないけど、それが素のキヨだって知ってるから。
「キヨ、わたし、キヨのことずっと好きだったよ、今も好き、これからも1番好き」
キヨを見上げて伝えると左目から溜まってた涙が一雫、頬を伝った。
キヨは握っていた両手を引き寄せると、一気に抱き締めてくれた。
不良に絡まれた時に抱き寄せられた時とは比べ物にならないくらい強くて、熱くて、大きな背中に遠慮がちに手を伸ばした。
身体を離したキヨはわたしの顔を見ると吹き出した。
「泣き過ぎだから」
そう言って笑うと流れていた涙を人差し指で拭ってくれた。
その指に触れられ目を瞑った瞬間、唇に温かい感触が走った。
「……好きだからキスしたに決まってんじゃん」
ドヤ顔をかますキヨに保健室の出来事を思い出してもしかしてあれもそうってことなの？と急に恥ずかしくなって顔に熱が集まってきた。
「振られると思って渡す気なかったけど」
キヨは後ろを振り返って何やらごそごそし始めた。
「ほい」
との言葉と共に振り返ると自分の左手を差し出してきた。
薬指にはゴールドの指輪が光っていた。
「……えっ」
指輪にはいい思い出がなくてちょっと雲がかった顔をしてしまったわたしに気付くとキヨは変な顔すんなとデコピンしてきた。
「痛い！」と右手でおでこを抑えていたら左手を握られた。
指にひんやりとした感触が、この感覚は、
わたしの左手の薬指にはキヨの薬指に光るものと同じゴールドの指輪がはめられていた。
「めりーくりすます」
ニッと歯を出して笑ったキヨにわたしは思いっきり抱きついた。
「だいすき！」
きみを振り向かせる正解は
「「そのままでいいよ」」
end.
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なみの - 返信ありがとうございます！まだ占いツクールやってるみたいで嬉しい(？)です。これからも応援しております・・！ (11月5日 13時) (
レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - なみのさん» お返事遅くなりすみません。コメントありがとうございます！お友達の神絵師に表紙頂いちゃいました…！背景に全ての要素入れて貰ったので併せて見て頂けると嬉しいです。かっこいいヨさん目指してたので伝わってて良かったです。 (11月2日 8時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - 最初の絵、背景に色々描いてあったけどちゃんと要素入ってたんですね！細かい、、 (10月14日 19時) (レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - 見ました・・・泣いちゃった・・・純愛っていいね。キヨさんかっこよすぎるよ、、、 (10月14日 19時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - ぎゃっ話まだ見てないけど神絵師様じゃないですか！！ (10月14日 14時) (レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2018年9月26日 3時
