Snow Whiteを目覚めさせるのは-5- ページ41
Aは軽い脱水症状になっていたようで辛うじて意識はあったから水を飲ませて念の為、保健室のベッドで休ませることになった。
保健室の先生は何やら忙しいそうでどこかへ行ってしまった。
倒れかけたAを間一髪で抱きとめて保健室までダッシュした俺に後からついてきたレトさんにAの症状をクラスの人に伝えて貰った。
きっと心配も山々だろうけど、まだ文化祭は続いているし、変な終わり方になってしまったから代役を立ててもう一公演やるらしい。
夏祭りの時に一緒にいた友達らしき子が覗きに来たけれど俺の姿を見ると「起きたらこっちのことは心配しないでと伝えてくれますか？」と眉を下げて困ったように笑っていた。
俺はAの力の入ってない手をぎゅっと握った。
「だから大丈夫なの？って聞いただろ、無理してんじゃねーよ……ったく」
小さな声で呟くと自分で思った以上に低い声になった。
目を覚ました時に俺がいたらさ、白雪姫の目を覚まさせたのは王子じゃなくて俺で良くね？
誰かの為に必死になったり、誰かのせいで傷付いたり、素直になれなかったり、柄にもなく年齢の差なんて気にしちまったりすんのはさ、全部お前のせいなんだよ。
A、お前だけなんだよ。
立ち上がって片手をベッドの反対側に置く。
ギシッとベッドの軋む音がした。
歯止めが効かないガキじゃない、でも、黙って見てられるほど大人じゃない。
だから……
事故でも何でも誰かに触れられた唇がどうしようもなく憎くて記憶の前後が怪しいことだけ祈って、反対側に置いた手で細い肩を強く押し付けるように力を込めた。
「……許さなくていいよ」
触れるだけのキスをしてから、俺は静かに側にあったパイプ椅子に座った。
そのまま沈黙の時間は啜り泣く声のせいで3秒ともたなかった。
「……寝たフリすんな」
「何で……何で、いつもいつもキヨ先生なの？」
気付いてないのかキスのことには触れて来ない。
いや、気付けよ、完全にしただろ。
起きてんのわかったのは離れたあとだったけど、っんで何も言わねーのこの女。
隙ありすぎだろ、バカじゃねーの？！
「何が？別に脱水症状なんかになる健康管理出来てない自分の生徒の世話見て何が悪い？」
俺はパイプ椅子にふんぞり返って腕を組んだ。
「キヨ先生じゃなければ、わたし」
イマイチ何が言いたいのかわからず、側にあった水のペットボトルを押し付けた。
「礼くらいちゃんと言え」
「あっ……ありがとう……ございます」
real reasonはいらない→←Snow Whiteを目覚めさせるのは-4-
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なみの - 返信ありがとうございます！まだ占いツクールやってるみたいで嬉しい(？)です。これからも応援しております・・！ (11月5日 13時) (
レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - なみのさん» お返事遅くなりすみません。コメントありがとうございます！お友達の神絵師に表紙頂いちゃいました…！背景に全ての要素入れて貰ったので併せて見て頂けると嬉しいです。かっこいいヨさん目指してたので伝わってて良かったです。 (11月2日 8時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - 最初の絵、背景に色々描いてあったけどちゃんと要素入ってたんですね！細かい、、 (10月14日 19時) (レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - 見ました・・・泣いちゃった・・・純愛っていいね。キヨさんかっこよすぎるよ、、、 (10月14日 19時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - ぎゃっ話まだ見てないけど神絵師様じゃないですか！！ (10月14日 14時) (レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2018年9月26日 3時
