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週のおわりの金曜日。
怒涛の納期で駆け抜けていった全段広告も、ようやく最終的なOKが出た。
印刷に回すためのデザインデータを先方にメールで送付する。
「ご査収、くだ、さい……！
おわったーー！」
送信ボタンをポチッと押して、背もたれに全体重をかけて脱力する。
大きな仕事の後の、この瞬間は“やりきった！！”って達成感と徒労感が入り混じる。
「ゆりちゃんやっと終わったな！」
「お疲れ様、大変だったね！」
「ありがとうしげちゃん今井様〜〜」
「ほんと、ゆりちゃんも重岡くんもよくやってるよ…
結局この2週間でどんだけ社泊したのー？」
「えっとー…どうですかねえ…アハハ」
ここまでのデスマーチを思い出して顔がひきつる。
帰れてもほとんどが終電だったし、仮眠室もお世辞にも寝心地がいいとは言えない。
「てか、仮眠室のマットレス買い換えへんの？
経費で落ちひんのすか？」
「そうですよ今井様ー。このままじゃ死人でちゃいますよぅ」
わたしがしげちゃんに乗っかると、「ポイントで買えるやつ探してみるかなー」と今井様。
急に何かを思い出したようにパッと顔を上げる。
「そーんーなことより！
ゆりちゃん、明日デートなんだから、今日は早く帰ってケアしなさい！」
肌髪爪服ぴかっぴかにしときなさい！！
と鼻息荒くして詰め寄られ、あまりの圧に椅子の背もたれごと仰け反った。
「ほらもー徹夜続きで肌くすんじゃって！
化粧品のクリエイティブ作ってるのに全然なってないじゃん！」
「ちょ、今井様wゆりちゃんもうすぐ椅子ごと倒れてまうでw」
「あっそうだ美顔器も貸したげる。
着ていく服はもう決めたの？」
まるで子供の遠足準備を心配するお母さんみたいだ。
「や…飲みいくだけだし、あんまり張り切るのも…」
「せやん。俺もゆりちゃんはいつものでええと思うけど」
「ゆりちゃんも重岡くんもやる気なさすぎー！」
「俺関係ないし！w」
まあでも確かに、せっかく休日に合うわけだからなぁ。
今夜は自宅ファッションショーになりそうだ。
「休日仕様の小瀧さんも、楽しみじゃない？」
…そ、そうだった、
「い、今井様、急に緊張が…」
「頑張ってね！」
「頑張るって…どうしたらいいんですかぁ〜〜」
「酒の勢い借りて、多少こう、“ガッ”て…」
「ガッてなにを！？」
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るーちょ(プロフ) - まっちゃさん» コメントありがとうございます！応援いただきとても励みになります(T-T)最終話までぜひお付き合いください。 (2019年7月19日 20時) (
レス) id: 5adc9338ef (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - とても面白いです！ 応援してます！ (2019年7月19日 6時) (レス) id: 622cccb941 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lucio | 作成日時：2019年7月8日 18時
