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「梁ちゃん!ここにいたんや?」
「神ちゃんごめんー。寝ちゃってた…」
「あ…お客さんか。すんません。」
展示室に入ってきた、金髪の男の子。
神ちゃんと呼ばれたが、共同制作の写真科の子なんだろうか。
「…俺、アートのことよう分かれへんけど、
この作品、なんかええっすね。」
「え!ほんまですかぁ」
コロコロと嬉しそうに笑う二人。
いつか彼らが夢を叶えたら、肩を並べて仕事できたらいいな。
「…じゃあ、俺行きます」
「はい、ありがとうございました。」
展示室をあとにする直前、一度だけ振り返る。
モノクロの景色の中で、
気持ちよさそうに泳ぐ熱帯魚だけが、色づいている。
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そして俺たちはもう一度出会うんだ。
“デザイナーの梁ゆりです”
眠たそうな目。
差し出された名刺。
スマホの 待ち受けにはあの、熱帯魚。
やっと会えた。
梁ゆり。
梁ゆり。
梁ゆり!!!
フラッシュよりも強い光が、網膜に焼き付いた。
・
「やっぱ、覚えてへんかってんな。
撮影んとき、ゆり、全くノーリアクションやねんもん。」
ベッド代わりのソファに座ったまま、信じられない、という表情をしているゆり。
「でも、また会えるなんて。
こういうのって、運命っぽいと思わへん?」
夜が明ける。
夜が、朝日に撫でられるようにして、薄紫の空が明るんでくる。
ゆりの、ヘイゼルの瞳に光が入る。
俺を見る。俺を射抜く。あの目で。
狂おしい
「また会いたいって、ずっと思っとった。
やっと言える。
__大好きや。」
「だいすきやで。ゆり。」
早朝の澄んだ空気に包まれながら
熱に浮かされるようにキスをした。
Theme song TOKYO GIRL(Perfume)
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作)撮影時のお話は第9・10話で。
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るーちょ(プロフ) - まっちゃさん» コメントありがとうございます!応援いただきとても励みになります(T-T)最終話までぜひお付き合いください。 (2019年7月19日 20時) (レス) id: 5adc9338ef (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - とても面白いです! 応援してます! (2019年7月19日 6時) (レス) id: 622cccb941 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lucio | 作成日時:2019年7月8日 18時