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「梁さん…髪、ついとる」
どうやら、髪の毛についた米粒を取ってくれたらしかった。
子供か!
はず!!
「す!…すいません〜……」
恥ずかしさにバツが悪くなって、高揚した頰を誤魔化すようにもそもそと続きを頬張る。
「かわえ。梁さん、子どもみたい」
「なんとでも言ってくださいよもう…」
「ふふ。頭ぽんぽんってしてええですか?」
「だめです!」
「えー(笑)」
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美味しくて、あっという間にスープカレーを完食してしまった。
「ごちそうさまでした!美味しかった〜」
「気に入ってもらえて良かったです。
まだ美味しいところ見つけてるんで、またご一緒してもらえますか…?」
「えー楽しみだなー!」
なんか食べ物につられてるみたいだけど…
美味しいもの食べて、楽しくおしゃべりして、これでまた仕事がんばれるー!
なんて、単純かな。
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お店を出て、ふたり並んでスタジオへ向かって歩く。
先に着いていたのは、村上さんやマーケのチームのみなさん。
「こんにちわ。お世話になります」
「忙しいところスンマセンなあ。」
「いえいえ、お声がけいただいてありがたいです」
「小瀧も撮影は初めてやろ?勉強しいや!」
「はいっ」
スタジオ内のスクリーンの前にはモデル代役のスタッフさんが立っており、照明やカメラチェックをしているところだ。
小瀧さん含め西緋さんご一行は、スタッフの方に呼ばれて衣装をみにいった。
すると、メイク道具を机の上に広げていた女性から声をかけられる。
「あなた、デザイナーの人?」
「え、あ、ハイ。」
「ふーん…若いのねー。邪魔にならないようにしてよね」
「…ハーイ……」
撮影現場においてデザイナーは、現場でしか掴めないことを以後の写真選びやクリエイティブに活かすために、できる限りのことを持ち帰ろうとしている。
具体的には、膨大なカットの中にどんな画像が含まれているかざっくり把握したり、
フォトグラファーとディレクターで行われる絵づくりの雰囲気を掴んだり、
OKテイクがどんな理由でOKになっているのか汲み取ったり…
だから現場によってはデザイナーがぐいぐい行くこともある。
にしてもこのメイクさん、言葉の端々にトゲが…
ここでは大人しくしてた方がいいかも。
「藤井さん入られまーーす」
スタッフさんの掛け声で、妙な空気からとりあえず解放され安堵した。
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作者名:Lucio | 作成日時:2019年6月9日 14時