第6話 ページ18
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Jワークスさんとの初顔合わせから数日が経ち、濱ちゃんは開発へ本配属され、俺は課長やチームのみんなに助けてもらいながらも、形では一人立ちということになった。
「小瀧くん、こちら、Jワークスさんから」
受付嬢の田村さんが、預かりものや郵便物を各部署に配りにきた。
受け取った封筒の中にはロゴマークのデザインデータが保存されたディスク。
“Meanロゴのマスタです!ご査収ください(^○^)”
CDケースには、ゆるいうさぎとカエルのメモが貼り付けられている。
なんやもう!いちいちかわええな!
何度もやりとりして思ったのは、梁さんはほんまに、気遣いの人。
相手を楽しませたり和ませたりするアイテムを、ちょいちょい挟んでくる。
自分も大変なはずやのになあ。遊び心をもって接してくれるのがほんまに健気。
癒される〜〜
仕事に私情挟むのはよくないけど、今にも加速しそうな気持ちは、否めない。
そこへ梁さんからmeanの化粧箱デザインの初校がメールで送られてくる。
『お花の画像はフリー素材を使用してますが、指定のものがあればご支給ください』
「あっ、そか、写真あんのかな…」
添えられた本文を読んで、そういえば写真素材を見たことがないのに気がついた。
プリントアウトして、課長に確認してもらう。
「村上課長、化粧箱の初校来ました。ここの、ジャスミンの写真素材ってあるんですかね?」
「あー、まだウチでは撮ってないはずやわ。Jワークスさんやったら、撮影からやってもらったほうが早いで?」
会議前で慌ただしそうに村上さんが言うので、撮影をお願いする旨のメールを梁さんに返信した。
〈memo〉初校…素案(ラフ)をもとに、具体的にソフトを使って作られた最初のデザイン。これに修正を入れていく。
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「望ー。おつかれさん。資材のサンプル届いたでー」
濱ちゃんが、容器類やチャック袋のサンプルを持って古巣へ現れた。
もうすっかり開発の仕事に馴染んでるみたいや。
「結局、ジェルは粘度強くしてジャーにして正解やな。」
「へー。製造前のボトルってこんななってんねや。」
なにも印刷されていないまっさらなディスペンサーを手にとって使用感をチェックする。
これに梁さんが作ったデザインが印刷されて、製品になる。
「これのフォーマットゆりちゃんに渡して、やっと初校やな!」
「おん!あ〜〜楽しみ!」
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作者名:Lucio | 作成日時:2019年6月9日 14時