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「そこを開いたところで、そこにあるのは臓器で心ではないではないか。」
確かに。
"心"の名を冠する臓器があるだけで、本当に微妙な心の機微を司っているわけではない。
「心が二つに割れることなどあると思うか？」
「二つに？」
「相反する想いが同時に心に存在する……ことは起こりうるか？」
相反する想い……？
陛下が何を仰りたいのかは、よくわからない。
それを聞き出すのも憚れる。
けれど。
「あると……思います。人は矛盾を抱える生き物かと。」
「矛盾……か……。」
陛下は視線を俺から逸らし、またも遠くを見つめた。
陛下……？
少しだけ。
そう、本当に少しだけ。
わずかに感じる─────違和感。
陛下らしからぬ何か。
それが何なのかはよくわからないが。
でも、確かに。
「陛、「北山。」
俺が呼び掛けようとしたのと同時に陛下が、背を向けたままで俺を呼んだ。
もちろん、そうなれば陛下が優先だ。
「は。」
「もう一度……歌ってくれないか？」
何を、なんて聞くまでもない。
紅様が仰っていた。
────この歌……アイツが好きでさ……。
陛下には気軽には歌えない歌。
きっと恐らく、この歌には陛下と紅様の想い出が溶けている。
俺と藤ヶ谷と同じように。
俺は、目一杯息を吸い込んだ。
一音目が色付く。
♪♪〜〜♪〜♪♪〜〜〜〜
赤く赤く。
赤に色付く物質空間異動の秘歌。
陛下は恐らく、幼き日よりずっと聞いていらっしゃったはずだ。
独特の甘さを含んだ低い声。
声の高さを、ほんのわずかに上下させて震えるように奏でられる声。
俺が憧れた声。
この方が、誰よりも愛した声。
歴代最高の紅───────。
俺に背を向けたままの陛下の表情は伺い知れない。
ただ。
少しだけ。
本当にわずかに。
その肩が震えているようで。
初めて見せる。
この方の揺らぎのように見えた。
先日、代理様に紅の称号を与えてはどうかとの話が朝議で持ち上がった。
嫌だ───と、瞬間的に思ったのを覚えてる。
あの席が埋まるということは。
それは、本当にあの方が消えてしまうように思った。
あの時、この方は……何を思っただろう……。
俺なんかにこの方を計ることなど出来はしないけれど。
常に凛とした孤高の存在であり続けた陛下のわずかな揺らぎを初めて感じた瞬間だった。
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流華(プロフ) - 充瑠さん» 充瑠さーん♪お久しぶりでーす♪♪わぉ、ロケ地に行かれたんですか!?羨ましいー( ☆∀☆)私も行きたいなぁ。頑張って更新していきますねー♪ヽ(´▽｀)/ (2018年10月26日 13時) (
レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ここさん» ここさん、こんにちは。コメントありがとうございます♪藤北さん……拗れてまさからね(笑)どうなることか(^_^;)頑張りますので、今後もよろしくお願いいたしまーす(*´∀`)♪ (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - 椿さん» 椿姫……(笑)喜びの舞だったり、机の角で頭ぶつけたりと忙しいな(笑)ああ、卓袱台返しの準備もするんだっけ？(笑) (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - SIZUKUさん» SIZUKUさーん♪♪いつも、ありがとうございますー♪ヽ(´▽｀)/ゆっくり進んでます(笑)そうです、お墓ですよ。あれが、誰のお墓なのか…。ポイントですね、それ(笑)伏線……回収出来るはずです(たぶん/笑) (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
充瑠(プロフ) - 流華さーん！！お久しぶりです。いよいよですね！実はこの夏に、ロケ地に行ってきまして。まだ記憶も鮮明なので、今後が楽しみです＾＾いつまでも待ちますー (2018年10月21日 0時) (レス) id: 5cca4c3768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流華
| 作成日時：2018年6月8日 11時
