その彼女が、俺の彼女です 2nd -JK-

story 63 ページ20

A「アメリカどうだった？」

「忙しくてあんまり覚えてない」

A「なにそれ」

「早く帰りたかったし」

A「でも次は日本だね」

「は？」

A「知らないの？」

「いつ？」

A「まったくもう･･･えっとね明後日」

「まじか･･･」






俺のスケジュールを
彼女のほうが把握しているのは
ちょっと嬉しいけれど






また会えないのか･･･。






A「2泊で一旦帰ってから
また行くって書いてあるよ？」

「あ！ツアーじゃん！」

A「そうそう」

「え？じゃあAも一緒？」

A「そうそう」

「やば･･･嬉しすぎる」






日本だったら堂々とデートできるかな






東京は無理だろうけど
地方ならなんとかなるかな






デートしたいな







真昼間に手つないで歩きたい







「A」

A「ん？」

「デートできるといいね」

A「そうだね」








せっかくデートしようと
色々調べたりしたのに
今回の日本ツアーは
デートどころじゃなかった。







日程がコンパクトに詰められているうえに
合間は別の仕事がみっちり







海外のツアーなんて
休暇も兼ねてると
勝手に思ってたのに








なかなかのありえない事態に
BTSの末っ子は拗ねました。








最終日の福岡。








ライブが終わって
ホテルに戻ったものの
そこから行方をくらましました。








一応、ナムジュニヒョンの部屋のドアに
“ごめん。次の仕事までに戻る”
と言うメッセージを残しました。








彼女の意向で。









季節は冬








駅とか人の多い所では
なるべく目立たないようにしてて
犯罪者みたいって彼女は笑ってた








向かったのは大分








静かな温泉旅館








着いたその日は
もう遅い時間で
それでも旅館の人は
快く迎えてくれた








ふかふかのお布団で
その日はぴったりくっついて
ぐっすり眠って








翌日はレンタカーを借りて
あちこち観光して回った








伊達メガネにハットだけの
変装だったけど
誰からも声を掛けられることなく
心からデートを楽しんだ。

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