社内恋愛 BTS編 2nd

story 82 TH ページ33

付き合ってからずっと
抱けずにいた。








抱いたら何かが変わりそうで。









100日目の記念日に
出掛けた旅行先で
やっと抱けたのに･･･。









目が覚めると
そこにAはいなくて
メモが残されていた。









やっぱり･･･何かが変わった。









抱くまでは
恋人同士のような
それでいてまだ
先輩後輩のままだったのに
抱いてAは
正真正銘の俺のモノになった。









でも、それが
Aにとって何を意味するのか
大方の想像ができて
ずっと抱けなかった。









「海の方かな」









着替えると俺も
Aを探しに部屋を出た。









ホテルの中にあるカフェで
温かいコーヒーを買って。









フラフラ探すこと15分。









「見っけ」









海岸沿いの寂しいベンチに
1人で座って海を眺めていたA。









「風邪ひくぞ」

A「･･･テテ」








隣に腰を下ろしたものの
手も繋げず、肩を抱くことも
出来なかった。









「腹減った」

A「そうだね」

「ホテルのモーニング、美味いって」

A「戻ろうか」

「ん」








一緒に立ち上がって
並んで歩いているのに
こんなにも距離を感じるのは
なんでだろう。









きっと俺だけではないはず。









同じ感覚をAも
感じているはず。









ふと立ち止まって
Aに手を伸ばした。









「んっ」

A「(​ *´꒳`*​)ﾌﾌｯ」









微笑んでその手を取ったAが
あまりにも綺麗で
そのまま抱き寄せた。









「･････････離れていくな」

A「･･･テテ」

「頼むから･･･傍にいて？な？」

A「どうしたの？」

「･･････Aこそどうしたんだよ」

A「どうもしないよ」

「じゃあ、なんで泣いた」








気付かないわけがない。








薄ら赤くなった鼻先。









充血した瞳。









なんで泣くんだよ。









幸せな朝のはずだろ？









A「夢を･･･見たの」

「どんな？」

A「テテが･･････」

「俺が何？」

A「やっぱり無理って･･･」









確かに難しい女だ。









過去の男達が
匙を投げたのもわかる気がするよ。

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