love u... 2 (ページ23)

今日:20 hit、昨日:8 hit、合計:200,535 hit

love u...　72 ページ23

.
..
...

5分ほど、ほぼ沈黙のまま歩いて
パーキングに着いた。

ジーンズにぶら下げてる車のキーを押すと
ドアが開いたことを知らせるハザードが光る。

ーー荷物後ろ置いちゃうね

と言い彼女からコートとカバンを受け取る。

今日彼女から何度か感じた強い意志を
今は感じなくて、今だって素直に荷物を渡してくれた

コートからはふわっと俺の香水が香った。

助手席のドアを開けて、どうぞ、と言う。
少しだけ躊躇いを感じて

ーーちゃんと送らせてもらいます、
と添えたら、ありがとう、と言って乗り込んでくれた

なぜか誘拐でもしてるような緊張を感じたけど。笑

俺も運転席に乗って、
ナビをいじる。

ーー住所、、全部聞くのはまずいか…途中までナビ入れるか、もしここから車での道分かればナビには入れないけど、どうする？

最寄りの駅まで、なんて答えが返ってこないようにちょっと頭を捻って質問すると、

車での道順分からないから
住所言います、と言ってくれた。

番地まで教えてくれて、

ーーじゃあいこっか！

と言い発進させる。

1区間高速乗ったほうが早かったけど
もちろん下道で向かう。

彼女は
自分の右手を左手で掴むような形で手を握っている

ーー急に今日ほぼ初対面の男の車なんて怖いですよね、いまさらですけどごめんなさい、、

彼女の緊張を感じて謝ると、
『いえ、そんなこちらこそ、お邪魔しちゃって』
と言う彼女。

BGMに、ラジオを控えめにかける。
この曜日のこの時間何がやってるかわかんないけど。

何を話そうか、
今までこんなに会話に気を使ったことがあるだろうか？それくらい運転しながら考える。

彼女の仕事話聞きたいなっておもって、
そういえば、、と口にした時、

ラジオから

「…リクエスト曲です、SixTONESでNEW ERA」

と聞こえてきた。

(良くない、全然タイミング良くない…)

と、ラジオじゃなくて俺の好きな曲かけりゃよかったと操作しようとしたら、

『あ！これ！！』
『た、じゃなくて樹くんのグループの曲ですよね？』
『私聞いたことなくて、音上げても良いですか？』

目をキラキラさせてこちらを見てくるAさん

樹くんって言い直して？呼んでくれたことも
SixTONESに、曲に、俺の仕事に
確実にプラスな感情で興味を持ってくれたことも

全てがマジで嬉しくて。

ーーあ、うん、
って良い返しができなかったけど

音量をあげて、2人で聞き入った。