検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:63,453 hit

PAST IVー1 ページ2

夏休みがやってきた。
家の庭で水を撒いて遊ぶ紫耀とじんを横目に端っこで日傘を差して座る。

キャッキャとふざけ合っては楽しそうに笑う二人。
炎天下の中でこんなにも楽しめるなんて・・・。

バレエの発表会が近いから私は日焼けしないように日焼け止めも日傘も差してるのに。




「紫耀!日焼けしちゃうよ!」

紫「あ?大丈夫!」

「大丈夫じゃない!」

紫「お前が気にしすぎなんだって!」



家の庭で日傘ってどこのお嬢様だよ(笑)ってケラケラ笑うから、口を尖らせるとじんが苦笑いした。




神「俺のパーカー使っていいよ」



じんが近くにやってきて、「はい」って手渡してくれる。



「・・・あぁ、ありがと」



この前のことを思い出して、ぎこちなく笑うことしかできない。
パーカーを受け取るとじんは優しく笑って、紫耀のところに戻っていった。




紫「病弱じゃあるまいし、別にいいのに」

神「バレリーナにとって日焼けは致命的なんでしょ?」

紫「まあ、そうなんだけど」

「じん何で知ってるの?」

神「ん?Aが言ったんでしょ?」

「そうだっけ」

神「ん、そう。覚えてた。」

「・・・そっか」




じんにパーカー着とけよ!と言われて、せっかく貸してもらったからありがたく着ようかなとか考えてたら突然「アーーッ!!!」って声が聞こえて顔を上げるとじんに向けて水を吹きかけた紫耀がケラケラ笑ってた。



神「目に入ったんだけど!(笑)」

紫「アハハ!(笑)」

「・・・(笑)」



楽しそうな二人を見つめて小さく笑うと、顔を拭くじんの目を盗んで紫耀が私の元へ駆け寄ってくる。




「ん?」

紫「シッ!」



急に日傘を持ってる手を掴まれたと思ったら、私と彼を隠すように傘が傾いた。



「・・・なに?」

紫「ふふ(笑)」



きょとんとする私に笑って、顔を近づける。



「・・・っ!」

紫「(笑)」




急にキスされて吃驚する私を見て舌を出すと、彼は傘を退かして立ち上がった。





神「あー!!!今チューしてたでしょ!」

紫「別に!!」

「・・・」

神「Aの顔が真っ赤だけど?」

「えっ!?」

紫「焦りすぎ(笑)」




紫耀は私の側から離れると、「プール行かね?」とまた私が怒るようなことを言ってはケラケラと笑っていた。



その日は久しぶりに3人で遊んで、凄く楽しかった記憶がある。

3人で心から笑いあった最後の時間だった。

PAST IVー2→←◆◇ PAST IV - TRUE LOVE- ◇◆



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (91 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1752人がお気に入り
設定タグ:愛美 , 森田美勇人 , 7ORDER   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:愛美 | 作成日時:2019年3月10日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。