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私はあの日のことが四六時中頭から離れなくて
この間出会った場所で彼を待ってみた。
もちろん通るかもわからない
だけど居ても立っても居られなかった。
気づけば辺りは真っ暗で
近くのネオン街は怪しい光をぽうっ、と灯し始めた。
時計を見てびっくりした。
…9時を回っている。私は3時間近くここに立っていたらしい。
変な人がジロジロこっちを見ていた。
ウリだと思われてるんだって気づいたら、仕方なくそろそろ帰ろうかとため息をついた。
「＿＿＿何してんの？こんなところで」
くるりと振り返るとこの前の彼が立っていた。
少し息を切らしている。
どうしたんだろう、と思っていると腕を引かれた。
「私…あなたに会いたくて、捜してたんです」
「何で？」
「この前傘を置いて行ってくれたから、…ほら」
「これあげたつもりなんだけど」
こんな高そうな傘を？
なんて不思議な人だろう、と思っていると
「でも俺も会いたいと思ってた」と聞こえて弾かれたように彼の方を見た。
「何でだろうね。絶対また会うって思った」
彼はふはっ、と笑って
「ああ、これ新手のナンパとかじゃないから」と私の顔を覗きこむ。
綺麗な瞳に、形のいい鼻と唇。
サラサラの黒髪はアンニュイに頬にかかっていて
思わず触れたくなる。
そんな風に思ってたら彼の方から私に触れてくるから
驚いた。
「……嫌だった？」
「…ち、がいます、びっくりして、その…」
「名前は？」
「……え？」
「A」と聞かれるままに答える。
そしたら彼は「俺はレン」と呟いた。
「へえ、A…
いい名前だね。もっと気に入った」
「んでもっと知りたい」と腕を掴んだまま
彼は私に動けなくなるほど熱っぽい視線を送ってきた。
こんな出会いもこんなセリフも
普通に生きてたらこの先きっとない。
だって彼が運命の人だから、という文字が私の脳内をぎっしりと埋め尽くした。
もしかして彼もおんなじことを思ったんじゃないかと思って、
「どうして私に傘をくれたの？」
そう聞いていた。
彼とはじめて会ったような気がしない。
出会うべくして出会った。
もし彼もそんなことを思っていたとしたら＿＿＿
「初めて会った気がしないんだよね。
…運命って、信じる？」
信じるしかなくなっちゃった。
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Haruno(プロフ) - シキさん» シキ様、お返事が遅くなってしまい申し訳ありません…🙇♀️🤍のお話気に入って頂けて良かったです🥹 (7月29日 19時) (
レス) id: 7ace42d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - mikuさん» miku様、お返事が大遅刻の大遅刻で大変申し訳ありません…今更…🙏🙇♀️最後まで読んでくださり本当に有難うございます…！そんな風に言って頂けて本当に嬉しい限りです🥹 (7月29日 19時) (レス) id: 7ace42d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - どのお話も最高にドキドキしました！特にラウのお話が好みすぎて…！もしよろしければ続きもみてみたいです！よろしくお願いします！ (2023年4月21日 17時) (レス) @page50 id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - 全部が最高でした！続編があったら読んでみたいです(_ _) (2022年11月5日 10時) (レス) @page48 id: 9190d456fa (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - みきさん» みき様、リクエストありがとうございます…！こっちも多分なんですが、ふっかさんのお話の方が長編化の可能性あるかもです…！あくまでかもなんですが（ ; ; ） (2021年9月5日 8時) (レス) id: c65c76f5bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haruno
| 作成日時：2021年8月12日 3時
