二月の勝者-絶対合格の教室-【3】 (ページ48)

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樹里がトイレに行くと樹里のお母さんはパックのジュースを用意してくれた

直江母「どうぞ」

柴田「ありがとうございます」

直江母「よく来てくれたね？あの子マイペースだし調子狂わない？」

柴田「全然...」

直江母「樹里はね、学校ではね浮いちゃってて。私が調子ぶっこいて樹里の髪染めたり可愛くて派手な格好させたりしてるからかもしんないんだけど

それがテレビか何かでね、制服でも私服でもいい学校があるって。みんな自分の好きな格好してるから人と違っても色々言われないんだって。急に受験したいって言い出して」

直江「何なに？何の話？」

直江母「まるみちゃんと一緒に二女行けたらいいね、って話してたの」

直江「ママ、行けると良いねじゃなくて行くんだって！」

直江母「はいはい、じゃあごゆっくりね」

柴田「はい...」

お母さんが仕事に戻ると樹里は私に聞いた

直江「あ、そうそう...こういうの、まるみに見てもらえたら嬉しいな。とめとかはね」

樹里が私に渡したのは桜花の漢字の問題集だった

直江「あっでも樹里だけ見てもらうのあれだから、まるみは算数やるといいかも」

ということで樹里の勉強スペースを借りて私は算数を、樹里は漢字を解くことになった

直江「ほい、できた...まるみは？」

私は首を横に振った

柴田「やっぱり算数は楽しくないな...」

直江「そういや私も国語は嫌かな...私たちってまるっきり逆だね！」

樹里の何気ない言葉が私たちの知能の差も意味しているように聞こえた

柴田「そもそも...そもそも何でまるっきり逆の私なんかと...」

直江「えっ...？」

柴田「私、樹里と違う...頑張っても頑張っても全然できるようになれない！」

直江「そんなの、あとちょっとじゃん」

柴田「樹里の国語とは違うよ！」

直江「まるみだって、」

柴田「一緒にしないで！」

直江「えっ、待ってまるみ！」

私は荷物も置いて美容室を飛び出し、ひたすら走り続け歩道橋の階段を上がりきったところで力尽きて足を止めた

直江「一緒にしないでって、そんなのこっちが言いたいセリフだよ！」

柴田「私なんて全然できないもん！最初から一緒じゃないよ！」