side 黒木 ページ14
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side 黒木
仕事を終えて社長に呼ばれ、本社に足を運んだ
白柳「いやね、ちょっと高い買い物をしましてね」
後ろの応接デスクの上には大きな紙袋と弓道セット
買い物は...これ？
白柳「あっ...それはAと紗良にせがまれましてね」
黒木「はあ...」
白柳「買ったのはそれじゃあなくて。吉祥寺校のビルの5階部分、元々英会話教室だったところなんですがワンフロア全部」
黒木「ほーう...」
白柳「来年度吉祥寺校は生徒の増員、クラスの増設が見込めると思ってましてね？
あっ、いやいや...もちろん吉祥寺校は黒木先生にお任せしてるわけですから、先生のお考えを伺ってからの話なんですがね？」
黒木「そうですか...」
白柳「...先生、今日あの子たちに会います？」
黒木「...はい？」
社長に頼まれたのは荷物の配達
弓道セットを担いで大きな紙袋を手に、ついでに紗良に頼みたいことがあって連絡を取ろうとするも、生憎Aも紗良も話し中だった
side A
仕事を終えて駅で着替えを済ませ、紗良と連絡を取りながらいつもの場所に向かっていた
A「今駅出たところ、これから向かうよ。今日混んでる？」
紗良「今日はそんなに混んでないよ。それより黒木先生もまだ来てないんだけどお姉ちゃん一緒？」
A「あ、じぃじに呼ばれて本社行ってるから今日は遅いんじゃないかな？どうかした？」
紗良「せいらちゃんにね、作文のことで質問されて...ちょっと難しいからお姉ちゃんか黒木先生早く来てくれないかなーって」
A「了解、なるはやで...うわぁ！！」
電話に夢中で歩いてたらいつの間にか前方に何か武器のようなものを担いだ人が立っていた
暗くてよく見えないけど殺気がすごい...
まさか...通り魔！？殺される！？
紗良「お姉ちゃん！？お姉ちゃん！」
A「待って！お願い、殺さないで！何でもするから、殺さないで！」
黒木「落ち着いて？僕だよ、A」
A「...え？」
故障しているのか点滅する街灯に一瞬だけ照らされた声の主は私の愛おしい人だった
A「なんっ...もぉ、紛らわしい！通り魔かと思った...」
黒木「なわけないじゃん」
紗良「お姉ちゃん！？」
A「あ、ごめんね紗良。今合流した、これから向かうね」
紗良「うん、待ってる」
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年11月28日 21時
