【wrwrd】我々カレシ【短編集】

ツーリングカレシ shp.Ver ページ28

私の彼氏は、ツーリングが趣味で、私もその影響を受けてバイクに手を出した。

お互い高給取りではあるので、無理のない程度で楽しむだけで十分だった。

私たちの出会いは会社の同僚コネシマの後輩ということで、紹介された時に、一目惚れされた。

「コネシマさんこんな人いるなら早く紹介してくださいよ！Aさん！今度ツーリング行きませんか？風に当たりましょうよ！！」

それが私たちの初デート。

最初はお試しみたいな感じで待ち合わせをした。

「お待たせ、まった？」

「大丈夫です。服かわいいですね。俺のために服下ろしてくれたんですか？」

「え？なんで分かるの？」

「内緒です。」

そう言って私の剥がし忘れてたサイズシールを剥がしてくれた。

私はこのイケメンムーブに既に落ちていた。

「じゃ行きましょうか。乗ってください。」

彼に渡されたのは私の好きな薄い緑のヘルメット

「わざわざ買ってくれたの？」

「やっぱ好きな色みにつけた方がいいでしょ。」
と自分は紫の半キャップを被る。少し耳が赤いのでさえ可愛く思える。

「どこ掴めばいいの？」

「俺の事掴んでてください。腰とか」

「こ、こう？」

腰にぎゅうと抱きつく……何気に恥ずかしい。

「はい……、じゃ行きましょうか。」

そう言って発進させると、寒さはなく気持ち良い風だけが私の体を通りすぎた。次々と変わっていく景色、

街をぬけ森を走り、海が見えてきた。

「どこ行くの？」

「水族館です。」

そう笑う彼の笑顔は、私よりも若くて男らしかった。

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