年上カノジョ tn.Ver ページ3
現パロ
本当にこの人は、何を考えているのか。
「トンくん、今日も一緒にどう?」
僕は何故か上司に気にいられてる。
上司と言ってもふたつしか年の違う、いや、社会人で2つというのはとても大きいか。
彼女は入社数年で課長まで上がり、僕が入って1年目の時部長へと昇格した。
それほどできる人だった。
有能だ、敏腕だ、と言われ、それに加えあの美人。2つ年上じゃなく2つ年下と言ってもなんの違和感なく受け入れられるやろ。
そんな上質な人がまだ独り身と言うんやから。上質な人は上質な人を望むんやなと自分は完結させた。
彼女がまだ課長だったころ、僕は課長についてまわるよう言われた。
同期が彼女の部下に研修を受けているあいだ、僕は彼女について待っとった。
任された仕事は、会議の議事録、打ち合わせの記録、予定の清書。
いわばメモ取りだ。
研修ももちろん課長直々に、2年目に入り、課長が部長となってからもヒラの僕を連れ回した。外回り、得意先、新規取引相手。
自分が世話になったという上司のところにも僕を連れて挨拶言った。
そして数年、相変わらず部長は僕を連れ回し、相変わらず僕は部長のメモ取りについてまわった。
少し前、僕が飲める口だと知ると、毎晩のように飲みに誘われた。
そして毎回勘定部長が出して、自分が食べた分だけでもと渡そうとすると、それでタクシーを呼ばれて帰らされる。そんな日々が続いてた時
いつものように飲みに誘われた僕は、異変に気がついた。
いつもと違う店や、と。
オシャレなエントランスに使われてる調度品からしてすごい高い店なんやろうなーって呑気に考えてたが、
初老の支配人に案内される時に冷や汗が出た。ここで飲むのか、と
「ちょっと、部長さん、ホンマにここで飲むんですか?」
「ええ、ちょっと奮発してね。」
「流石に…」
「文句ある?」
「いや、なんでも。」
エレベーターに乗っていれば着いたのはまさかの展望個室。
こんな所自分には一生縁のないところだと思っていた。
「さぁ、かけて。」
「失礼します。」
こんな所で何を飲むというんや、と冷や汗を流しながら重厚な椅子に座る。
「さてなんでこんなところで飲むと思う?」
「さぁ…」
何をしたんや!俺!!……あ、素が……
「分からないよね……」
目を泳がせるしかできない、必死に思考回路をまわし思い出す。
「私と独立しよう。」
思考回路は止まった。
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卍エシラ(プロフ) - ベルギーチョコさん» どこでもいいですよ (2022年2月20日 19時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
ベルギーチョコ(プロフ) - あの、リクエストって最新作の方の短編集にコメントしたほうがいいですかね…? (2022年2月20日 18時) (レス) id: 1be44ced24 (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 赤狩りさん» こちらこそ細部まで見てくれてるようでお気遣いありがとうございます。 (2019年12月7日 21時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
赤狩り - 卍エシラさん» なるほど……確かに、そうですね。申し訳ありません。そして何度でも言いますが好きです。好きです(大事なことなので) (2019年12月7日 17時) (レス) id: 3967b4b60c (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 赤狩りさん» そうですねすみません。ですが凶はkrしかかけないので凶とタグ付けるのも少し気が引けます。ですから説明欄にwrwrd+αとしてkr先生がいますよと書かせて頂きます。検索避けをしていても直接的なタグを付けすぎると検索避けの意味がなくなってしまうんです。 (2019年12月7日 12時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:卍エシラ | 作成日時:2019年11月7日 23時