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『よく来たな』
神威の目の前に座る高杉は、椅子の淵に肘を置き、足を組み直す
神威はそれを横目に映し、椅子を引いて座った。
『シンスケの家に来るのは久しぶり。
ねえ、今日はどんな美味しいご飯を食べさせてくれるの?』
『ふん、まァそう焦らさんな
……今用意させる』
高杉の「入れ」の一言で部屋の大きな扉が開く。
そこから出て来た人物に、神威の目が釘付けになる
ゆっくりと食事の乗るカートを押し、高杉の横に立った。
その人物は元神威の使用人、雨宮Aである
『お待たせいたしました』
機械のように一定な声の調子。
元主人の姿を映しても動揺を見事に隠し、平然とお辞儀をやってのけた。
高杉は胸の内でそれを褒め、片方の口角を上げる。
『…………へえ
だから、俺を食事に誘ったの?』
神威の目が、高杉を鋭く睨め付けた。
決して放さず、逸らさず、真っ直ぐに捉えている
高杉はお得意の「さァな」で交わし、Aに早く用意させるように顎で促す。
神威の前に食器を置く手が震えている。それを分かっているのか、神威はAを横目に見つめた
張り詰めた空気の中で始まる食事。
彼女は、生唾をバレないように飲み込む。
そんな空気を壊すように、高杉は口を開いた
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さざんか(プロフ) - 更新お疲れ様でした…!そして素敵な作品を本当にありがとうございました!涙が出てきちゃう程良いお話で、凄く忘がたい作品になりました。完結から長らく経ってしまいましたが、出会えて良かったと心から思います。本当にありがとうございました。 (2022年3月13日 3時) (レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
今日花 - とても良い作品でした。神威が不器用な、けれど優しいところに惹き付けられました。最後は結婚という結果で思わず笑みが溢れます。心に残る作品でした。 (2017年9月19日 18時) (レス) id: 53c7e05c46 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ななさん» ありがとうございます! 大好きとは、勿体無いお言葉!! 神威は難しくて苦戦していましたが、ななさんにそう言ってもらえたので、そんな苦悩は吹き飛びました! コメントと閲覧、本当にありがとうございます( ´ ∀`) (2017年8月12日 10時) (レス) id: 30ed3dcdf9 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 完結おめでとうございます!!とても面白くて素敵なこの小説、大好きです^^これからも頑張ってください!応援しています! (2017年8月6日 1時) (レス) id: f0f39f84a9 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - RTtk46NmHahsgrzさん» ありがとうございます! こちらの作品、悩みに悩んで進めて行った作品なので、そう言ってもらえてとても嬉しいです。いつかまた、読み返してくださるとありがたいです^^ 他の作品も、もし良ければ読んでほしいです! また好きになってくださいな!! (2017年8月4日 10時) (レス) id: 731ff239df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年6月19日 20時