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神威の耳には電話のコール音が鳴り響くも、相手は一向に出てくれない。
電話特有の機械音の後、抑揚の無い声で携帯の持ち主が電話に出れない理由をあげられ、一定の音が鳴る
神威は溜息混じりに電話を切り、車のシートに首裏を付けた。
『出ないのか?』
『うん。そうみたい』
『……なにか、あったんじゃねェか?』
ルームミラー越しに阿伏兎は神威へ目線を送ったが、神威は「縁起でもないことを言うな」と軽く睨む。
だが神威も彼女のことを案じており、阿伏兎にスピードを出すようせがんだ。
『もう速度制限マックスだよ!』
『もっと出したところでバレやしないよ』
「許容すんな」と阿伏兎はしかめっ面をし、アクセルを更に踏むことはしない。
しかし、嫌な予感が神威の中に渦巻き、鼓動が早まり始める。
数分後に屋敷へ着いた神威だが、そこには彼を迎える使用人、Aの姿は無い。
彼女の部屋へ足を運んだ神威は、テーブルの上に置いてある携帯を手に取る。
電源は切られており、画面は真っ暗だった。
パソコンは開いたままなのが気になった神威は、電源をつける。
大抵自分の誕生日がパスワードだと予測した神威だが、彼は彼女の誕生日を知らない。
結局開けることは出来ない上に、プライベートを覗くのは無粋だと判断した神威は部屋を出る
誰もいない静かな屋敷の客間で、疲れていた彼はゆっくりと目を瞑った。
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さざんか(プロフ) - 更新お疲れ様でした…!そして素敵な作品を本当にありがとうございました!涙が出てきちゃう程良いお話で、凄く忘がたい作品になりました。完結から長らく経ってしまいましたが、出会えて良かったと心から思います。本当にありがとうございました。 (2022年3月13日 3時) (レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
今日花 - とても良い作品でした。神威が不器用な、けれど優しいところに惹き付けられました。最後は結婚という結果で思わず笑みが溢れます。心に残る作品でした。 (2017年9月19日 18時) (レス) id: 53c7e05c46 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ななさん» ありがとうございます! 大好きとは、勿体無いお言葉!! 神威は難しくて苦戦していましたが、ななさんにそう言ってもらえたので、そんな苦悩は吹き飛びました! コメントと閲覧、本当にありがとうございます( ´ ∀`) (2017年8月12日 10時) (レス) id: 30ed3dcdf9 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 完結おめでとうございます!!とても面白くて素敵なこの小説、大好きです^^これからも頑張ってください!応援しています! (2017年8月6日 1時) (レス) id: f0f39f84a9 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - RTtk46NmHahsgrzさん» ありがとうございます! こちらの作品、悩みに悩んで進めて行った作品なので、そう言ってもらえてとても嬉しいです。いつかまた、読み返してくださるとありがたいです^^ 他の作品も、もし良ければ読んでほしいです! また好きになってくださいな!! (2017年8月4日 10時) (レス) id: 731ff239df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年6月19日 20時