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-Story9-sideセンラ- ページ10

「なにこいつ」「生きてる?」「せんらあー?」

あんな別れ方をして数週間。
物足りなさと寂しさで死にかけていた。

これは恋だ。
リスナーと恋なんてと思っていたけど、好きなもんは好きなんだ。

よし、帰り道に電話をかけよう。
また会うためだ。
男から動くべき!!!


「おい、生きろよ」
浦田さんに投げられたアルミ缶は見事センラの頭にHIT。

「いっっったっ」

「何があったかわからんけど死ぬなよ」と志麻くん。
ニヤニヤ見てくるキモい坂田。
今日もいつも通りか。

それでもAちゃんに会いたかった。
いつも通りじゃない日常を味わいたかった。



そして帰り道。
Aちゃんがスマホを家に忘れて帰ったとき、ちゃっかり自分の連絡先を全部入れておいた。いつの日かのためにと思っていたけど、まさか今日使うとは。

プルルルル



「もしもし…」
怪しそうに電話に出る感じ。
久しぶりに聞いたこの声は完全にAちゃんだった。
色々戸惑っているらしいけど状況を説明して用事をすぐに伝えた。

「今週の日曜日夜七時半この前の居酒屋に集合!それだけ!」

ブチッ

強引に行かないときっとAちゃんのことだから断るだろう。
推しと密会とか問題になったときにしんどいだろうから。見つかるわけには行かないけれど何もやましいことはない。

いや、やましくはないけどセンラの一方的な愛だから言われることは言われるのか。

何があってもAちゃんは守るつもりだ。
今回は本気なのだ。あの手紙のお礼にセンラの一生をあの子に捧げる。

やっと決意できた。

絶対にセンラをAちゃんのものにする。


これ普通逆の考えやけど。





そして日曜日。

「Aちゃん!」

「…センラさん…」

大きな瞳をキラキラさせながらセンラのことを見てくるこの子はほんと、どれだけ純粋なんだろう。

かわいいなぁと思いながら入った先は居酒屋。
ムードってなんやろなぁ…


「どうして私をまた誘ってくれたんですか…?」

「…んー飲みたかったからかな」


なんて嘘。
普通に会いたかったからに決まっている。

「そうですか…」と落ち込む彼女もまた愛おしい。少しでも期待をしてくれていたのだろうか。聞きたいことも伝えたいこともたくさんあるのに伝えられない。この立場の差は一体なんだろう。

「センラのおごりやからなんでも好きな物頼んでな」



今はただAちゃんとの夜をどれだけ楽しめるかだ。

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耳上出蛙(プロフ) - まだ途中までしか見ていないのですが、微妙にお互いの感情を理解しきれていなくて読んでてもどかしくなるような続きが気になるようなお話でとても凄いと思います。このままいっぱい読んできますね! (2020年8月26日 1時) (レス) id: e26948917f (このIDを非表示/違反報告)
ハル晴れ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!あんまり無理しないでくださいね。いつでも待ってます。自分のペースで更新頑張ってください!! (2020年3月10日 17時) (レス) id: d87eb6d55e (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 名前をとりかぶとにしてたの忘れてたらセンラさんが車の中でとりかぶと…いい名前やねって言ってて爆笑した。 (2020年3月4日 10時) (レス) id: 80f40766eb (このIDを非表示/違反報告)
だっち(プロフ) - 前作から流れてきました!今作もすごく面白くて、更新楽しみにしてます!! (2020年3月3日 22時) (携帯から) (レス) id: 7167dc6512 (このIDを非表示/違反報告)
たかめい(プロフ) - いつも楽しく読んでます!更新頑張ってください!(*^^*) (2020年3月3日 22時) (レス) id: 651a3f3b57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れおなちゅ | 作成日時:2020年2月29日 21時

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